2018 年 1 月 8 日、セキュリティリサーチャが、仮想通貨発掘ソフトウェア「Claymore」を乗っ取る新しい「Satori(サトリ)」の亜種(「ELF_MIRAI.AUSV」、「ELF64_MIRAI.D」として検出)を確認したと発表しました。この亜種は端末所有者の発掘設定を攻撃者のものに書き換えることで発掘した仮想通貨を窃取します。新しい亜種のコードを解析したところ、背後にいる攻撃者は従来の Satori と同じであることを示す結果が得られたとのことです。
続きを読む北朝鮮のインターネットは、ハッカーが北朝鮮国内から国外にアクセスするのみで、外からはアクセス不可能な一方通行のネットワークだと一般には考えられているようです。2014 年の「Sony Pictures」に対するハッキングや、各国銀行を襲ったサイバー銀行強盗は、北朝鮮の攻撃者によるものだと報告されています。これらの事例と北朝鮮を関連づけるために入手可能な公開情報は、北朝鮮の IP アドレス空間からのインターネット通信です。同国のインターネットは厳しく管理されており、ネットワーク内の PC が攻撃を受けることも無いと考えられているかもしれません。では、国外のサイバー犯罪者が管理するボットが 1 年以上にもわたって北朝鮮で活動できた理由は何でしょう。通常のマルウェアが北朝鮮の PC を感染させることは可能なのでしょうか。また、北朝鮮に割り振られた IP アドレスはすべて同国で使用されているのでしょうか。本記事では、これらの問いについて調査することにより、北朝鮮によるものだと考えられていた攻撃について得られた知見を解説します。
続きを読む2017年10月15日(現地時間)、Wi-Fi通信のセキュリティプロトコル「Wi-Fi Protected Access 2(WPA2)」に存在する脆弱性が複数確認されたことが明らかになり、その詳細が同月16日に公開されました。報道によると、これら脆弱性は、「Key Reinstallation AttaCKs」という手法により悪用されることから「KRACK」と呼ばれ、「概念実証(Proof of Concept、PoC)」の攻撃コード(現時点で非公開、参考動画)により WPA2 の暗号化の仕組みを侵害します。
WPA2 は、安全な暗号化通信を実現するための Wi-Fi認証のセキュリティプロトコルです。今回はこの WPA2 の鍵管理に脆弱性が確認されました。攻撃者は KRACK を悪用して Wi-Fi端末機器と Wi-Fi のアクセスポイントの通信を傍受したり、場合によっては通信を乗っ取ることが可能となります。
今回の脆弱性のポイントは、以下の通りとなります。
- WPA2 のプロトコル自体の脆弱性であり、特定のオペレーションシステム(OS)などに依存せず影響がある
- 攻撃者は、これら脆弱性を利用して以下を実行することが可能である。
・通信の傍受、盗み見
・通信の乗っ取り、改ざん - 脆弱性の利用には、物理的に Wi-Fi に接続できる必要がある。多くの場合、中間者となることも必要。
「Dnsmasq」は、小規模サーバや組み込み機器に DNS/DHCP サーバを構築するために利用される事実上の標準ソフトウェアです。2017 年 10 月 2 日、Google のセキュリティリサーチャ がバージョン 2.78 より前の Dnsmasq に存在する7 つの脆弱性を確認しました。特定のオプションでDnsmasq を実行している場合、これらの脆弱性は、「遠隔でのコード実行(Remote CodeExecution、RCE)」、情報流出、「Denial of Service(DoS、サービス拒否)攻撃」を可能にします。
続きを読む攻撃キャンペーン「EITest」は、2014 年に初めて確認されて以来、脆弱性攻撃ツール(エクスプロイトキット)を利用してランサムウェアなどさまざまなマルウェアを拡散しています。トレンドマイクロは、今回、ソーシャルエンジニアリングとして「サポート詐欺」を利用して、仮想通貨を発掘する JavaScript 形式の「HKTL_COINMINE」が拡散されていることを確認しました。「サポート詐欺」とは、正規のテクニカルサポートサービスを装った Web サイトで「マルウェア感染」などの文言を表示し、そうとは知らずに引っかかったユーザからサービス利用料や金融情報を詐取する手法です。
続きを読む米国の大手信用情報会社「Equifax」は、同社の情報漏えい事例が、脆弱性「CVE-2017-5638」を突いた攻撃によるものだと報告しました。この脆弱性を修正する更新プログラムは、2017 年 3 月のセキュリティ情報「S2-045」によって公開されています。不正アクセスを受けた同社顧客の個人情報は、米国で約 1 億 4,300 万人分、英国で約 40 万人分、カナダで約 10 万人分に上ります。この脆弱性が 3 月に情報公開されてから時をおかず、概念実証(Proof of concept、PoC)や脆弱性攻撃ツール、脆弱性の有無を調べるネットワークスキャナが公開されました。
トレンドマイクロでは、2017 年 3 月以来、弊社の「IPS(侵入防御システム)」製品により CVE-2017-5638 を狙う攻撃を数千回確認しています。そしてこの脆弱性を狙った攻撃とネットワークスキャン活動は、依然として確認され続けています。トレンドマイクロ製品は、正規更新プログラムが公開および適用されるまでの間、セキュリティフィルタを利用した仮想パッチにより、Apache Struts の重大な脆弱性に対して効果的に対応することが可能です。
続きを読むトレンドマイクロは、クラウド型オンラインストレージサービス「A360 Drive」がマルウェアの拡散に悪用されていることを確認しました。クラウド型サービスは、マルウェアの拡散やコマンド&コントロール(C&C)サーバとしてサイバー犯罪者によって悪用されてきた経緯があります。本ブログでも、攻撃者集団「WINNTI」が、C&C 通信のために「GitHub」を利用した事例を報告しています。
今回確認された「Autodesk® A360(A360)」を利用した攻撃は、WINNTI の手法に比べて単純で目新しさは無いものの、マルウェアをホストするためにファイル共有サイトを悪用するという点で類似しています。A360 は「チームとプロジェクトの情報をデスクトップ、Web、モバイルデバイスに統合、接続、編成するためのクラウドベースのワークスペース」です。一連の製品群には、「Autodesk® A360 Drive(A360Drive)」と「Autodesk® A360 Team サービス」などが含まれます。個人向けの無料アカウントでは 5GB のストレージを利用することが可能です。ブラウザやデスクトップアプリからファイルをアップロードし、権限に応じて閲覧・編集等が可能なユーザを招待することができます。サイバー犯罪者は、マルウェアを A360 にホストすることにより、疑われずにマルウェアを送り込むことが可能になります。この手法は、収集情報の保存先としてGoogle Drive が利用された攻撃と類似しています。
続きを読む昨今、各リサーチャーやエンジニアがインターネットや無線通信ネットワークに接続する自動車「Connected Car(コネクテッドカー)」を乗っ取る手法について数多く報告しています。その一例が2015 年に報告された米 FCAUS(旧クライスラー)の事例です。Charlie Miller 氏と Chris Valasek 氏が同社の Jeep をハッキングする手法を公開。こうした手法の多くは、特定の製造業者が抱える脆弱性を突くものでした。そのような脆弱性は、通常、報告後すぐに修正されます。しかし、自動車の性能や機能に甚大な影響を与えるだけでなく、検知されにくく、特定の製造業者やメーカーに左右されないハッキング手法が発見されたとしたら、セキュリティ企業はどのように対応するべきでしょうか。
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