最新の macOS High Sierra 10.13 において、アカウントの認証情報がわからなくとも、誰でも簡単にシステムへのログインが可能になる脆弱性が確認されました。これは「root」アカウントを使用することにより、パスワードの入力なくログインができてしまうと言うものです。しかし、デフォルト設定で運用されているMacに対してこの脆弱性を利用した攻撃を成立させるためには物理的アクセスが必要な部分も多く、悪用へのハードルは高いものと言えます。この脆弱性は「CVE-2017-13872」として認識され、Apple社により既に修正プログラムも公開されました。この脆弱性単体での危険性はそれほど高くはありませんが、侵入した攻撃者や不正プログラムに利用される可能性もあります。macOS High Sierra 10.13利用者の方、特に自分以外の利用者も参加するネットワーク上で「画面共有」機能などを必要としている利用者の方は忘れずに修正プログラムを適用してください。
続きを読むトレンドマイクロでは 2017 年第 3 四半期(7~9 月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。サイバー犯罪者はここ数年、ランサムウェアのように凶悪な脅迫手段を使用して金銭を強奪していました。その傾向は現在も続いていますが、この第 3 四半期には仮想通貨発掘ツール(コインマイナー)のような比較的穏やかな金銭獲得手法も目立ちました。仮想通貨価格の高騰や「Monero」のような新興で発掘効率のよい仮想通貨の存在などがサイバー犯罪者の目を仮想通貨に向かせている状況と言えます。
図:日本からアクセスのあった脆弱性攻撃サイトの全体数とそのうちコインマイナーを拡散するサイト数の推移
トレンドマイクロでは法執行機関との協力も交え、世界のサイバーアンダーグラウンド状況を継続して調査しています。その中で、トレンドマイクロ独自の調査および国際刑事警察機構(インターポール)との協力により、アフリカのサイバーアンダーグラウンドの状況が明らかになってきています。中でも「ナイジェリア詐欺(別名:ナイジェリアの手紙、419 詐欺)」に代表される西アフリカのサイバー犯罪者は、現在日本も含めて世界的に被害が出ている「ビジネスメール詐欺(BEC)」と関連が深いことがわかっています。また、不正プログラムが廉価に入手可能な北アフリカから中東にかけてのアンダーグラウンドマーケットの特徴など、特に日本にも影響があると考えられる事例を紹介します。
続きを読むトレンドマイクロは、2017年 4月初旬、システムツール「fsck_msdos」に存在する脆弱性「CVE-2017-13811」を確認し、Apple に通告しました。この脆弱性の影響を受けるオペレーションシステム(OS)は、以下の通りとなります。
- macOS Sierra 10.12.6
- OS X El Capitan 10.11.6
同社は、10月31日、この脆弱性に対応するセキュリティ更新プログラムを公開しました。脆弱性を抱えたシステムツール「fsck_msdos」は、リムーバブルドライブや小容量メモリーカードのファイルシステムとして使われている「File Allocation Table(FAT)」でフォーマットされた端末のエラーを確認し修正するツールで、USBドライブや SDカードといったリムーバブルドライブを挿入すると、macOS により自動的に起動されます。
続きを読むトレンドマイクロは、2017年9月にも、古くからあるオンライン銀行詐欺ツール「EMOTET(エモテット)」がそのような不正なマクロを利用した手法で金融機関以外の業界や新しい地域へと対象を拡大する活動について報告しました。
不正なマクロと PowerShell を利用する「EMOTET」の感染フロー