バンキングマルウェア「ZBOT(別名:Zeus)」は、過去20年間で最も多くの被害をもたらした古くから存在するマルウェアファミリの1つです。ZBOTは2006年に初めて登場した後、2011年にアンダーグラウンドフォーラム上にそのソースコードを流出させたことで、その後数年間にわたって企業や組織を悩ませる新たな亜種を数多く登場させることになります。
最近確認されたZBOTの中で最も注目すべき亜種の一つが「Zloader」です。2019年後半に「Silent Night」という名前で初めてコンパイルされたZloaderは、情報窃取型マルウェアに始まり、「Cobalt Strike」、「DarkSide」、「Ryuk」などの他のマルウェアやツールをインストールして実行するための手段を攻撃者に提供する多機能ドロッパーへと高度化してきました。さらにZloaderは、攻撃者にリモートアクセス(遠隔操作)を提供したり、さらなる不正活動を可能にするプラグインをインストールしたりする機能も備えています。