「Mirai」(「ELF_MIRAI ファミリ」として検出)の新しい亜種の急速な拡散がセキュリティリサーチャによって報告されています。2017 年 11 月 22 日に確認された 2323 番および 23 番ポートへのトラフィックの急増は Mirai の亜種によるスキャンだと考えられており、確認された約 10 万の固有な IP アドレスはアルゼンチンのものでした。
続きを読む「REDBALDKNIGHT(別名:BRONZE BUTLER、Tick)」は、主に日本の法人を対象として諜報活動を実行するサイバー攻撃集団です。標的には、バイオテクノロジー企業、電子機器製造企業、工業化学企業、および政府関連機関が含まれます。REDBALDKNIGHT の攻撃キャンペーンでは、バックドア型マルウェア「DASERFDASERF(別名:Muirim、Nioupale)」(「BKDR_DASERF」として検出)が利用されています。この DASERF は主に下記のような4つの機能を備えています。
- シェルコマンドの実行
- 情報のダウンロード/アップロード
- スクリーンショットの取得
- キー入力情報の記録
北朝鮮のインターネットは、ハッカーが北朝鮮国内から国外にアクセスするのみで、外からはアクセス不可能な一方通行のネットワークだと一般には考えられているようです。2014 年の「Sony Pictures」に対するハッキングや、各国銀行を襲ったサイバー銀行強盗は、北朝鮮の攻撃者によるものだと報告されています。これらの事例と北朝鮮を関連づけるために入手可能な公開情報は、北朝鮮の IP アドレス空間からのインターネット通信です。同国のインターネットは厳しく管理されており、ネットワーク内の PC が攻撃を受けることも無いと考えられているかもしれません。では、国外のサイバー犯罪者が管理するボットが 1 年以上にもわたって北朝鮮で活動できた理由は何でしょう。通常のマルウェアが北朝鮮の PC を感染させることは可能なのでしょうか。また、北朝鮮に割り振られた IP アドレスはすべて同国で使用されているのでしょうか。本記事では、これらの問いについて調査することにより、北朝鮮によるものだと考えられていた攻撃について得られた知見を解説します。
続きを読むプロパガンダ(宣伝工作)は、一般大衆の意見を誘導し世論を操作するために、国家や組織によって古くから利用されてきた効果的な手法です。冷戦時代には、欧米の各ラジオ局が欧米支持のメッセージを東欧諸国に向けて放送し、プロパガンダのツールとして利用することに成功しました。また、東西ドイツを再統一に導いた決定的な要因は、欧米のテレビ放送であったと考えられていることは、視覚媒体が持つ影響力の証拠となっています。テレビは、東欧の生活とはかけ離れた欧米の理想的な生活を見せつけました。プロパガンダを成功させるための重要な要因は、概して2つあります。1つは、価値のある有意な情報を収集すること、そしてもう1つは、強力な伝達経路を利用することです。メッセージが一般大衆に届かなければ、プロパガンダは成功しません。
続きを読むトレンドマイクロは、クラウド型オンラインストレージサービス「A360 Drive」がマルウェアの拡散に悪用されていることを確認しました。クラウド型サービスは、マルウェアの拡散やコマンド&コントロール(C&C)サーバとしてサイバー犯罪者によって悪用されてきた経緯があります。本ブログでも、攻撃者集団「WINNTI」が、C&C 通信のために「GitHub」を利用した事例を報告しています。
今回確認された「Autodesk® A360(A360)」を利用した攻撃は、WINNTI の手法に比べて単純で目新しさは無いものの、マルウェアをホストするためにファイル共有サイトを悪用するという点で類似しています。A360 は「チームとプロジェクトの情報をデスクトップ、Web、モバイルデバイスに統合、接続、編成するためのクラウドベースのワークスペース」です。一連の製品群には、「Autodesk® A360 Drive(A360Drive)」と「Autodesk® A360 Team サービス」などが含まれます。個人向けの無料アカウントでは 5GB のストレージを利用することが可能です。ブラウザやデスクトップアプリからファイルをアップロードし、権限に応じて閲覧・編集等が可能なユーザを招待することができます。サイバー犯罪者は、マルウェアを A360 にホストすることにより、疑われずにマルウェアを送り込むことが可能になります。この手法は、収集情報の保存先としてGoogle Drive が利用された攻撃と類似しています。
続きを読む「フィッシング詐欺」は、利用者をだまして認証情報や個人情報を詐取するサイバー犯罪です。典型的な手口としては、電子メール(フィッシングメール)により不正サイト(フィッシングサイト)へ誘導し、利用者自身にサイトへのログインに必要なアカウントとパスワードなどの認証情報を入力させて詐取するものです。このようなフィッシング詐欺は既に古典的ともいえるサイバー犯罪手口の 1 つですが、現在も個人と法人、双方のインターネット利用者にとって深刻な問題となっています。事実、フィッシング詐欺撲滅を目指す米国の非営利団体「Anti-PhishingWorking Group(APWG)」の最新レポート(2016 年第4 四半期(10~12 月)版・英語情報)によれば、2016 年の 1 年間に確認されたフィッシング詐欺の攻撃状況は 2004 年の監視開始以降最悪と報告されており、その脅威はますます高まっているものと言えます。
続きを読むサイバー攻撃者集団「BlackTech(ブラックテック)」は、台湾を中心とした東アジア地域でサイバー諜報活動する攻撃者集団で、日本や香港での活動も確認されています。彼らが利用するコマンド&コントロール(C&C)サーバの Mutex やドメイン名から、BlackTech の目的は標的者が所有する技術の窃取にあると推測されています。
BlackTech が利用する手法などの変化を追跡したところ、別々のサイバー諜報活動だと思われていた、「PLEAD(プリード)」、「Shrouded Crossbow(シュラウディッド・クロスボウ)」、「Waterbear(ウォーターベア)」の間に、ある共通点が浮かび上がってきました。
本記事では、各攻撃キャンペーンの手口を比較し、利用されたツールを解析した結果判明した3つの攻撃キャンペーンが同一の攻撃集団によって実行されたことを示す共通点について解説します。
続きを読む2017 年 6 月 10 日、韓国の Web ホスティング企業「NAYANA」が暗号化型ランサムウェア「Erebus(エレブス)(「RANSOM_ELFEREBUS.A」として検出)」による攻撃を受け、同社が管理する153台のLinuxサーバが感染し、ホストしていた3,400以上の企業のWebサイトへの影響が確認されました。
NAYANA は、6月12日、同社の Web サイトで告知し、管理するすべてのサーバのファイルを復号するために、攻撃者が「Bitcoin(ビットコイン、BTC)」で 550BTC(162万米ドル)にも上る高額な身代金を要求していることを明らかにしました。そして6 月 14 日の告知で、攻撃者との交渉の結果、身代金が 397.6BTC(2017 年 6 月 19 日の時点でおよそ 101 万米ドルに相当)に減額され、6 月 17日の告知で3 回に分けた支払いのうち、既に 2 度目の支払いを完了していることを発表しました。また同社は、6 月 18 日、50 台ごとに 3 次に分けて実施されるサーバ復旧作業の計画と進行状況を公開しています。2次のサーバのいくつかではデータベース(DB)エラーが発生しているとのことです。1 次と 2 次のサーバ復旧が成功した後で、3回目の支払いが行われる予定です。
金額は異なるものの、今回の事例は、身代金を支払ったにも関わらずファイルを完全に修復することができず、2 度目の身代金を請求されたカンザス州の病院の事例を思い起こさせます。
2016年9月に初めて確認されたErebusは、「malvertisement(不正広告)」によって拡散し、システムに対する未許可の変更を防ぐWindowsの機能「User Account Control(UAD)」を回避する手法を利用していました。本記事では、Linux版Erebusについて、現時点で判明している注目すべき手法について解説します。
続きを読む多くのマルウェアが昨今、自身の攻撃に比較的新しい手法を取り入れている一方で、侵入方法は従来の手法がいまだに採用されています。例えば、暗号化型ランサムウェア、オンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)、標的型攻撃では、不正なマクロやショートカット(LNK)ファイルが依然として利用されています。しかし、効果が実証されているこれらの手法の他に、PowerShell 等の正規ツールや機器を遠隔で操作する不正な字幕用ファイルのような新しい手法の利用も確認されています。
トレンドマイクロは、2017 年 5 月、PowerPoint のスライド上でハイパーリンクが張られた画像やテキストにマウスカーソルを乗せる動作(マウスオーバー)を利用してマルウェアを送り込む新しい手法を確認しました。この手法は、欧州・中東・アフリカ地域で確認されたスパムメール送信活動で利用されたダウンローダ(「TROJ_POWHOV.A」および「P2KM_POWHOV.A」として検出)によって利用されていました。このスパムメール活動では特に、英国、ポーランド、オランダ、スウェーデンにおいて、製造業、機器作製、教育、運輸、花火製造などの業界が影響を受けました。
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