多くのマルウェアが昨今、自身の攻撃に比較的新しい手法を取り入れている一方で、侵入方法は従来の手法がいまだに採用されています。例えば、暗号化型ランサムウェア、オンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)、標的型攻撃では、不正なマクロやショートカット(LNK)ファイルが依然として利用されています。しかし、効果が実証されているこれらの手法の他に、PowerShell 等の正規ツールや機器を遠隔で操作する不正な字幕用ファイルのような新しい手法の利用も確認されています。
トレンドマイクロは、2017 年 5 月、PowerPoint のスライド上でハイパーリンクが張られた画像やテキストにマウスカーソルを乗せる動作(マウスオーバー)を利用してマルウェアを送り込む新しい手法を確認しました。この手法は、欧州・中東・アフリカ地域で確認されたスパムメール送信活動で利用されたダウンローダ(「TROJ_POWHOV.A」および「P2KM_POWHOV.A」として検出)によって利用されていました。このスパムメール活動では特に、英国、ポーランド、オランダ、スウェーデンにおいて、製造業、機器作製、教育、運輸、花火製造などの業界が影響を受けました。
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