本ブログでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威から、2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えしています。法人利用者を狙う脅威としては、①止まらない情報漏えい被害と漏えい情報を使用した攻撃、②取引所からの仮想通貨流出、③ビジネスメール詐欺 が三大脅威であると分析しています。第3回の今回は法人利用者に対する脅威の中から「取引所からの仮想通貨流出」と「ビジネスメール詐欺」から今後のセキュリティ上の課題を考えます。
図:2018年国内の法人を狙う三大脅威
トレンドマイクロでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威の動向から、①フィッシング詐欺、②SMSを発端とする不正アプリ拡散、③「セクストーション」スパム を2018年に発生した個人利用者に対する「三大脅威」であると分析しています。そしてこのような脅威動向の全体を通じて、金銭に繋がる情報を狙う攻撃、特にクレジットカード情報や認証情報を中心としたいわゆる個人情報を狙う攻撃が拡大する裏で、過去に漏えいした情報はまた別の攻撃に利用され新たな被害を招く、言わば「被害の再生産」の構図が明らかになってきたと言えます。
本ブログでは、この2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えします。第2回の今回は個人利用者に対する脅威の中から「フィッシング詐欺」に焦点を当てて分析します。
トレンドマイクロでは 2018 年上半期(1~6 月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。過去数年にわたりサイバー犯罪の中心となっていた「ランサムウェア」の攻撃は 2018 年に入り急減。それと入れ替わるように「不正マイニング」を筆頭とする仮想通貨狙いの脅威が、日本を含め世界的に拡大しました。同時に日本では「フィッシング詐欺」の攻撃が急増し、過去最大の規模となりました。この半年間に起こったサイバー犯罪動向からは、2017年に起こった様々なサイバー犯罪の転換が更に明確になると共に、新たな傾向が明らかになってきたものと言えます。
トレンドマイクロでは、2017 年の 1 年間に確認した、日本国内における「標的型サイバー攻撃」に関しての分析を行いました。2017 年を振り返ると、標的型サイバー攻撃の重大な被害に関する公表や報道はほとんどありませんでした。この事実だけを見ると、国内での標的型サイバー攻撃の脅威は完全に沈静化しているように思えます。しかし、トレンドマイクロが 2017 年に行ったネットワーク監視の中では、全体の 71%で 標的型サイバー攻撃の疑いが警告されており、攻撃自体は水面下で継続している状況と言えます。
2017 年の脅威動向を振り返ると、特に企業や法人において「セキュリティ上の欠陥」が深刻な影響を及ぼした事例が多く確認されたものと言えます。PC やインターネットの利用は、個人利用者においても法人利用者においてもなくてはならないものとなっていくと同時に、様々な「サイバー脅威」の被害に遭う可能性も高まっています。不特定多数に対するばらまき型の攻撃であったとしても、無作為に被害を受けるものではありません。「セキュリティ上の欠陥」が存在する企業ほど、被害を受けやすい状態であると言えます。
トレンドマイクロでは、2017 年 1 月~11 月に発生したサイバー脅威の事例を分析し、個人利用者では1)金銭を狙う「不正プログラム」の拡散、2)「ネット詐欺」、3)「仮想通貨を狙う攻撃」 を、法人利用者では1)「ランサムウェア」と「WannaCry」、2)「公開サーバへの攻撃」による情報漏えい、3)「ビジネスメール詐欺(BEC)」 を「三大脅威」として選定いたしました。そして、「セキュリティ上の欠陥」が特に企業に深刻な影響を与えた年であったものと総括しています。本ブログではこの 2017 年の脅威動向速報を連載形式でお伝えします。第 1 回の今回は、2017 年の脅威動向の総括として、特に企業に深刻な影響をもたらす「セキュリティ上の欠陥」について法人利用者での三大脅威から「WannaCry」と「公開サーバからの情報漏えい」の 2 点を例に解説します。
トレンドマイクロでは 2017 年第 3 四半期(7~9 月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。サイバー犯罪者はここ数年、ランサムウェアのように凶悪な脅迫手段を使用して金銭を強奪していました。その傾向は現在も続いていますが、この第 3 四半期には仮想通貨発掘ツール(コインマイナー)のような比較的穏やかな金銭獲得手法も目立ちました。仮想通貨価格の高騰や「Monero」のような新興で発掘効率のよい仮想通貨の存在などがサイバー犯罪者の目を仮想通貨に向かせている状況と言えます。
誰もが利用している銀行の現金自動預け払い機(ATM)。その ATM がある日突然スロットマシンのように現金を吐き出す、そんなサイバー犯罪が現実に起こっています。トレンドマイクロでは欧州刑事警察機構(EUROPOL)と協力し、「ATMマルウェア」に代表される ATM を狙った攻撃の実態を調査しました。
ATMマルウェア自体は以前から確認されており、2009年に初めてその存在が報告されています。ATMマルウェアの目的は、
の 2つがありますが、最も狙われているのは「ジャックポット」攻撃とも呼ばれる、不正操作により ATM内の現金を自由に引き出せるようにする攻撃です。
続きを読む改正個人情報保護法や割賦販売法改正など、個人情報の取り扱いに関連した法制度整備の動きが国内で進む中で、ヨーロッパ連合(EU)が制定した一般データ保護規則(General Data Protection Regulation、GDPR)が 2018年5月25日から施行されます。国内の企業にも影響があるこの制度は、本格的な施行まで残すところあと 6カ月になりましたが、果たしてどれだけの法人組織で理解と対応が進んでいるのでしょうか?
GDPRとは?
GDPR は 2016年4月に EU議会で承認、採択された規則で、欧州経済地域(EEA)内のすべての市民に関連する個人情報を保護することを義務付けている制度です。これまでヨーロッパでは、EU の前身である欧州共同体(EC)が貿易障壁撤廃を目的に制定した EUデータ保護指令が存在していました。しかし、加盟国の法制度の違いから不整合が発生するという課題を受けて、ヨーロッパ全域で調和のとれた個人情報保護に関する法制度の整備、EU圏内の個人に関する情報の保護と権利確保、組織による個人情報保護の取り扱いを整備する目的で制定されたものです。