オンライン詐欺と物理的な犯罪には関連があることが知られています。トレンドマイクロは、2017 年 5 月、盗んだ iPhone のロックを解除するために、Apple のクラウドサービス「iCloud」のアカウントに不正アクセスするツールと手法について明らかにしました。本記事では、物理的な窃盗とサイバー犯罪の関わりについて、さらなる調査から判明した巧妙な手法について解説します。
続きを読むトレンドマイクロは、Android の「Toast」機能を利用したオーバーレイ攻撃によって、感染端末に密かに不正アプリをインストールする新しい Android 端末向け不正アプリ「TOASTAMIGO(トーストアミーゴ)」(「ANDROIDOS_TOASTAMIGO」として検出)を Google Play で確認しました。TOASTAMIGO の 1 つは、2017 年 11 月 6 日時点で 100,000~500,000 回インストールされています。この不正アプリは、Android 端末の「ユーザー補助機能」を悪用し、少なくとも今のところ、広告のクリック、アプリのインストール、削除防止による攻撃の持続等の機能を備えています。
続きを読む本ブログでは、2017 年 9 月に iOS の不正な構成プロファイル「iXintpwn(アイシントポウン)(別名:YJSNPI(ヤジュウセンパイ)ウイルス)」について解説しました。iXintpwn は、未署名の構成プロファイルの形で侵入し、ホーム画面に大量のアイコンを作成します。インストール時に、場合によっては iOS のホーム画面を管理する標準アプリが強制終了し、端末が応答不能の状態に陥ることもあります。また、アンインストールを困難にするために、作成されるアイコンは削除不可に設定されていました。
トレンドマイクロは、2017 年 10 月、署名済みプロファイルを利用して前回とは異なる攻撃を実行する iXintpwn の新しい亜種(「IOS_YJSNPI.A」として検出)を確認しました。「IOS_YJSNPI.A」は、 2 つのアプリストア「hxxp://m[.]3454[.]com」および「hxxp://m[.]973[.]com」で配布されていました。弊社の解析によると、この新しい亜種の主な目的は、前回のように対象端末のオペレーティング・システム(OS)に負担をかけることではなく、「リパックアプリ」をダウンロードさせる Web サイトへの誘導です。
![図1](/wp-content/uploads/2017/11/20171109comment01.png)
図 1:前回確認された未署名のプロファイル(左)、今回確認された署名済みプロファイル(右)
署名済みプロファイル(右)の説明には、「ゲーム、ソフトウェア、壁紙を提供するiOS アプリストア」とある。
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モバイル端末の性能は、ある程度の仮想通貨を実際に発掘するには不十分だという疑いがあります。しかし、機器の消耗、電池の短命化、通常よりも重たい動作など、感染端末がユーザに与える影響は明確です。
トレンドマイクロは、2017年10月中旬、不正に仮想通貨を発掘する能力を備えたアプリを Google Play 上で確認しました。これらのアプリは、検出を逃れるために、JavaScript を動的に読み込み、ネイティブコードを追加する手法を利用します。トレンドマイクロは、これらの不正アプリを「ANDROIDOS_JSMINER(ジェイエスマイナー)」および「ANDROIDOS_CPUMINER(シーピーユーマイナー)」として検出しています。
続きを読むトレンドマイクロは、この Android端末を狙うマルウェア「ZNIU(ズィーニュー)」について Google に報告しました。これを受けて Google は、Google Play プロテクトのセキュリティ機能によって端末が保護されることを検証済みです。
「Dirty COW」と呼ばれる Linuxの脆弱性「CVE-2016-5195」が、2016年に初めて一般に公開されました。この脆弱性は、Red Hat のようなアップストリームの Linuxや、Linuxベースのカーネルを持つ Android などのプラットフォームに確認されました。攻撃者によってシステムのルート権限を取得される可能性のある深刻な権限昇格の脆弱性に分類されたものの、その後、Dirty COW を利用した Android端末への攻撃は確認されていませんでした。理由としては、Android端末主要モデルへの攻撃手法を確立するために時間を要したことが考えられます。それから約1年が経過し、トレンドマイクロは、Androidプラットフォームの脆弱性「Dirty COW」を狙う初の不正アプリ「ZNIU(「AndroidOS_ZNIU」として検出)」の検体を入手しました。
ZNIU は、2017年8月には世界中 40カ国以上で検出され、そのほとんどが中国およびインドで確認されています。米国、日本、カナダ、ドイツ、インドネシアでも検出され、本記事執筆時点(2017年9月25日)、5,000人を超えるユーザに影響を与えています。トレンドマイクロのクラウド型セキュリティ技術基盤「Trend Micro Smart Protection Network(SPN)」の情報によると、ZNIUが仕込まれた不正アプリ 1,200余りが、不正な Webサイト上で確認されています(※)。不正アプリには、Dirty COW の脆弱性を攻撃できるルートキットが含まれ、ポルノやゲームアプリなどとして偽装されています。
続きを読む2017 年 6 月、ランサムウェア作成の容疑で日本の未成年者が逮捕された事例が注目を集め、本ブログでも解説しました。本記事では、同未成年者が作成および拡散したとされる別のマルウェア「iXintpwn(アイシントポウン)(別名:YJSNPI(ヤジュウセンパイ)ウイルス)」(「TROJ_YJSNPI.A」として検出)について解説します。先に iXintpwn を「マルウェア」と呼びましたが、その実体はアプリではなく、不正な構成プロファイルです。「構成プロファイル」とは、iOS の各種設定を自動的に行うための仕組みです。iXintpwn はこの仕組みを悪用し、iOS 端末のホーム画面に大量のアイコンを作成すると同時に、アイコンの削除を不可に設定します。場合によっては端末が応答不能の状態になることもあります。
![図1](/wp-content/uploads/2017/09/20170926comment04.jpg)
図 1:削除不可に設定されたアイコン(左)
ホーム画面に作成されるアイコン(右)
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「BlueBorne」は、iOS、Android、Linux、Windows の Bluetoothの実装における複数の脆弱性の総称です。確認したリサーチャによると、約53億台の Bluetooth搭載機器が BlueBorneの影響を受けると推測されています。現時点(2017年9月20日時点)の対処方法として、以下の対応を検討してください。
- 幾つかの LinuxベースのOSを除き、各OS は、2017年9月19日時点、同脆弱性に対応する更新プログラムが公開されています。該当の OSの端末機器をご利用の場合、直ちに適用してください。
- 何らかの理由で更新プログラムが適用できない場合、あるいは更新プログラムが未提供の Linux端末機器をご利用の場合、Bluetooth機能をオフにしてください。
トレンドマイクロでは日夜多くのサイバー攻撃を監視していますが、インターネット利用者の個人情報やクレジットカード情報を狙う攻撃は後を絶ちません。中でも特に電子メールやメッセージから攻撃に誘導する「フィッシングメール」などの手法はサイバー犯罪者の常とう手段となっています。このような人間をだます手口に対しては、その手口を知ることが対策のために重要です。今回は特に Apple ID の「無効」を発端にクレジットカード情報を含む個人情報を根こそぎ詐取しようとするフィッシング攻撃の実例を紹介します。
![図1](/wp-content/uploads/2017/08/170824comment01.png)
図1:確認されたフィッシングメール例