2022年1月、マッチングアプリで知り合った人物から不正アプリのインストールが誘導され、アプリをインストールしてしまった場合に連絡先情報などが窃取され、金銭を要求されるなどの脅迫を受けたとの相談が長崎県警察に寄せられました。
トレンドマイクロにて該当アプリケーションの調査を実施した結果、マッチングアプリを装い、連絡先情報などを窃取する機能を持つ不正アプリであることを確認しました。また、不正アプリのインストール対象としては、AndroidおよびiPhone両方を標的としていました。
続きを読むトレンドマイクロは、「Core Virtual Machine Server (CVMServer) 」に存在するmacOSの脆弱性を確認しました。「CVE-2021-30724」が割り当てられた当該脆弱性は、整数オーバーフローにより境界を超えるメモリアクセスを発生させ、そこから特権昇格が可能となるものです。この問題は古いバージョンのmacOS Big Sur 11.4、iOS 14.6、およびiPadOS 14.6が動作するデバイスに影響します。
この脆弱性はすでにApple社によって修正済みとなっています。本記事では、この脆弱性が確認された経緯や、脆弱性が誘発される条件について説明します。
続きを読むトレンドマイクロは2020年3月末、サイバー諜報活動と推測されるキャンペーンを確認し、「Project Spy(プロジェクトスパイ)」と名付けました。Project Spyは、Android端末の場合「AndroidOS_ProjectSpy.HRX」、 iOS端末であれば「IOS_ProjectSpy.A」として検出される情報窃取型不正アプリ(スパイウェア)を感染させます。Project Spyは新型コロナウイルスの世界的流行をおとりとして利用し、「Corona Updates」というアプリに偽装し不正アプリを配布していました。しかし調査をするうちに、それよりも以前に配布されていたGoogleサービスと音楽のアプリを偽装する初期バージョンも確認できました。なお、これらの不正アプリは、パキスタン、インド、アフガニスタン、バングラデシュ、イラン、サウジアラビア、オーストリア、ルーマニア、グレナダ、ロシアにおいてダウンロードされており、そのダウンロード数は比較的少数であったことも確認されています。 (さらに…)
続きを読むAppleはiOSのサンドボックス機構を使用して各アプリケーションがアクセス可能なリソースを制限し、アプリケーションのセキュリティとプライバシーを管理しています。この仕組みは、あるアプリが侵害された際に被害の範囲を制限するためのもので、App Storeを通して配布されているすべてのアプリによって採用されています。
このようなアクセス制御はアプリ間の通信を困難にしますが、Appleは慎重に設計されたいくつかの仕組みによってそれを補助しています。中でも最も一般的なものは「URLスキーム」です。基本的に、URLスキームはあるアプリから別のアプリに情報を伝達する仕組みです。例えば、あるアプリで「facetime://」から始まるURLを開いた場合、URLスキームによりビデオ通話アプリ「Face Time」が起動して通話を開始します。URLスキームを使用したこのようなショートカットは非常に便利ですが、アプリ間通信のために設計されたこの仕組みにはセキュリティ上の不備がありました。
本記事では、URLスキームを悪用したアカウントの侵害、請求詐欺、ポップアップ広告の表示といった攻撃の可能性について考察します。具体的には、中国の公式iOSアプリの中から、メッセージングおよびモバイル決済アプリ「WeChat」と買い物アプリ「Suning」を例として取り上げ攻撃シナリオを解説しました。WeChatやSuningと同様の機能を持つその他の多くのアプリも本記事で解説する攻撃に対して脆弱である可能性があります。トレンドマイクロは、そのようなアプリのベンダに通知を行い協働しました。特にWeChatの脆弱性については、弊社が運営する脆弱性発見・研究コミュニティ「Zero Day Initiative(ZDI)」に報告しています。
続きを読む2017 年 6 月、ランサムウェア作成の容疑で日本の未成年者が逮捕された事例が注目を集め、本ブログでも解説しました。本記事では、同未成年者が作成および拡散したとされる別のマルウェア「iXintpwn(アイシントポウン)(別名:YJSNPI(ヤジュウセンパイ)ウイルス)」(「TROJ_YJSNPI.A」として検出)について解説します。先に iXintpwn を「マルウェア」と呼びましたが、その実体はアプリではなく、不正な構成プロファイルです。「構成プロファイル」とは、iOS の各種設定を自動的に行うための仕組みです。iXintpwn はこの仕組みを悪用し、iOS 端末のホーム画面に大量のアイコンを作成すると同時に、アイコンの削除を不可に設定します。場合によっては端末が応答不能の状態になることもあります。
本ブログでは、トレンドマイクロのクラウド型セキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network(SPN)」の「Mobile App Reputation(MAR)」からのフィードバック、および、昨年発生した事例の外部の調査データを基に、2016年における世界のモバイル脅威事情を 2回にわたって振り返ります。今回はモバイル端末の脆弱性を利用する攻撃と Apple iOS のセキュリティを崩そうとする攻撃について解説するとともに、今後の脅威予測についてもまとめます。サイバー犯罪者は、次々と確認され公開される脆弱性を利用して攻撃経路の拡大、マルウェアの改良を行いました。2016年を通じ、世界中で脆弱性を利用するマルウェアと「ルート権限取得(ルート化)」するマルウェアが多く確認されると共に、特に Android端末に比べ攻撃が難しいと考えられる iOS端末にも攻撃を仕掛けていきました。
続きを読む2014年11月5日(米国時間)、OS X搭載の PC および iOS端末の両方に影響を与える不正プログラム「WireLurker」が確認されたことが報告されました。この新たな不正プログラムは、Mac OS X上で活動すると同時に、感染PC に USB接続された iPhone、iPad などの iOS端末へも感染を広げます。特に、「JailBreak(脱獄)」していない安全であるはずの iOS端末へも感染を広められることが大きく注目されています。 各メディア機関も相次いでこの新しい不正プログラムについて報道していますが、その危険性が必要以上に誇張されているケースもあるようです。 本プログでは、この「WireLurker」という新しい脅威について理解すべき点、および、この脅威への対策を解説します。
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