ジャストシステムの「一太郎」を狙ったゼロデイ攻撃が再び確認されています。「日本リージョナルトレンドラボ」は、2010年4月21日、不正な一太郎のファイル(拡張子JTDのファイル)を入手。この不正なファイルは、解析の結果、前回とは異なる新たな脆弱性を悪用する機能を備えていることが判明しました。この脆弱性が悪用されると、感染コンピュータ上で任意のコードが実行される可能性があります。
続きを読むREvilの時代が終わりを迎えた今こそ、ランサムウェア攻撃に対する戦略を練り直す時です。REvilの戦術から何を学ぶことができるでしょうか。本記事では、同グループが用いたテクニックを分析し、その台頭から凋落までを見直した上で、今後の展望を提言します。
REvil(別名:Sodinokibi)は、RaaS(Ransomware as a Service)のスキームを採用しており、2019年の登場以来、派手な攻撃で悪名を馳せました。REvilに限らず、RaaSによるランサムウェア攻撃は2021年にも留まることを知りませんでした。同年5月には有名なRaaSであるランサムウェア「Darkside」が石油パイプライン会社を攻撃し、米国でガス供給不足を引き起こしたことから法執行機関の注目を集め、REvilも運営停止が公式発表されました。そしてこの取り締まりの結果、最終的に攻撃者が2人逮捕され、TORネットワークが閉鎖されました。しかしながら、油断は禁物です。REvilという「ブランド」に傷が付き、関係者を集めることが難しくなった今、このグループは新たな名称で復活することが予想されます。
それまでの間は、この悪名高いランサムウェアの運営について理解を深め、戦略の立て直しを図るのに良い機会です。
トレンドマイクロでは2021年1年間における国内外での脅威動向について分析を行いました。2021年、多くの企業や組織で急速なデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、サイバー犯罪者はコロナ禍の状況に便乗し、さまざまな不正活動や攻撃の機会を捉え、新旧さまざまな脅威をもたらしました。
米国時間2021年12月9日に公開された当時ゼロデイ脆弱性であったJavaのログ出力ライブラリ「Apache Log4j」上に存在する脆弱性「Log4Shell」(CVE-2021-44228)の影響により、Apache HTTP ServerのようなオープンソースのWebサーバを狙うサイバー攻撃が急増しました。攻撃者は、人々がWebサーバに依存していることを利用して、リモートコード実行(RCE)、アクセス制御におけるバイパス、サービス拒否(DoS)攻撃などを行ったり、侵害したサーバを乗っ取って暗号資産(旧:仮想通貨)を不正に採掘(マイニング)したりします。
サイバー攻撃から企業を守るには、ベンダがリリースした修正プログラム(パッチ)を適時適切に展開するだけでは不十分な場合があります。このため、ソフトウェア構成分析(SCA)を用いて、ソフトウェアサプライチェーンの各レイヤに内在する問題・課題を見つけ出し対処することが、2022年には必須となります。
続きを読む脆弱性対応のためのパッチ適用作業は、情報システム部門やセキュリティチームにとっては悩ましい仕事です。これは、担当するチームにおいては日常業務のうちのごく一部にすぎないためです。しかしながら、年間のソフトウェア脆弱性発見は大きく増加しており、適切に対応するための負担が増えています。ランサムウェア攻撃をはじめ脆弱性を悪用する攻撃が増加していることも考えると、これまで以上に組織は脆弱性対応の方法を工夫して対応していく必要があります。本記事では、パッチ管理を取り巻く現状を確認した上で、組織が抱える問題およびベストプラクティスについて紹介します。
[参考(英語):TrendMicro – Cybercrime and exploits: Attacks on unpatched systems]
図1:1年間にCVE番号が割り当てられたソフトウェアの脆弱性の数の推移
続きを読む2021年第3四半期(7~9月)、新たな攻撃手口を取り入れたランサムウェアのオペレータは、特に「RaaS」と呼ばれるランサムウェアサービス(Ransomware as a Service)を通じて、アフィリエイト(実行役)によるランサムウェアファミリ「REvil(別名:Sodinokibi)」の拡散活動を活発化させていました。また、本ブログでは2021年7月5日公開の記事で、攻撃者がIT管理プラットフォーム「Kaseya VSA」内のゼロデイ脆弱性を悪用して、脆弱な顧客の端末に不正スクリプトを送り込んでいたことを報告しました。マネージド・サービスプロバイダ(MSP)やIT企業へIT管理ソフトウェアを提供している「Kaseya社」では通常、顧客にソフトウェアアップデートを配布するためにVSAソフトウェアを使用していましたが、当時VSAは攻撃者によって武器化されていたため、REvilランサムウェアを読み込んでいました。REvilランサムウェアは、被害者に身代金の支払いを促すために情報暴露型の二重脅迫の手口を用いることで知られています。
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