トレンドマイクロでは2018年第3四半期(7~9月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。2018年に入り世界的に「フィッシング詐欺」の攻撃が急増しましたが、同様の「人をだます」手法の拡大が見られています。特に日本では、ビジネスメール詐欺やばらまき型の「簡略版セクストーション」で「日本語版」が確認されるなど、世界的な「詐欺」と「脅迫」の手法の流入事例が相次ぎました。
図:9月に確認されたセクストーションスパムのメール例
トレンドマイクロでは2018年第3四半期(7~9月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。2018年に入り世界的に「フィッシング詐欺」の攻撃が急増しましたが、同様の「人をだます」手法の拡大が見られています。特に日本では、ビジネスメール詐欺やばらまき型の「簡略版セクストーション」で「日本語版」が確認されるなど、世界的な「詐欺」と「脅迫」の手法の流入事例が相次ぎました。
仮想通貨人気が続く中、サイバー犯罪者はさまざまな仮想通貨発掘マルウェアを開発し、継続的に微調整を加えながら攻撃に利用しています。事実、トレンドマイクロは、広範なプラットフォームおよびデバイスで一貫して仮想通貨発掘マルウェアを検出しています。
2018年10月には、Linux PC に感染する仮想通貨発掘マルウェア(「Coinminer.Linux.KORKERDS.AB」として検出)が確認されました。このマルウェアには、不正な仮想通貨発掘プロセスを監視ツールから隠ぺいするルートキットコンポーネント(「Rootkit.Linux.KORKERDS.AA」として検出)が付属しています。これにより、ユーザは不正なプロセスの存在に気付くことが困難になり、感染を示す兆候は PC のパフォーマンス低下のみとなります。また、このマルウェアは、自身とその設定を更新する機能も備えています。
続きを読むトレンドマイクロでは以前から「Pawn Storm(別名:APT28、Sofacy、Sednit、STRONTIUM、Fancy Bear等)」として知られる攻撃者グループを調査しており、今年1月のブログ記事などでその活動を報告してまいりました。今回2018年10月中旬以降、この攻撃者によるものと考えられる攻撃キャンペーンを確認しました。
該当の攻撃では、11月初旬より日本国内の複数の組織に対して、英語文面による不審なメールが送信されています。弊社にて、それらのメールの添付ファイルを詳細に調査したところ、Pawn Stormが用いるバックドアとして知られる「Zebrocy」(ゼブロシー)の感染へと至ることを確認しました。トレンドマイクロではこれまで、Pawn StormがNATOや東欧を標的にしてきたことを報告していますが、その攻撃対象に日本も追加されたものと考えられます。
続きを読む日本では9月中旬に登場した「簡略版セクストーション」のスパムメールは、この10月にも攻撃が継続、拡大しました。前回記事では、9月中旬から9月末の12日間に少なくとも3万通が拡散し、脅迫メール内で示されたビットコインアドレスには併せて250万円相当のビットコインが送信されていたことをお伝えしました。トレンドマイクロではその後もこの脅迫メールに関する監視を続け、10月の1か月間では確認できただけでも5万通以上が拡散したものと考えられます。また、これまでに確認されたサイバー犯罪者のビットコインアドレスでは10月末日までの累計で、日本円1,240万円相当の仮想通貨を受信していたことからも、日本だけでも大きな被害が発生していることが推測されます。
医療機関では、患者の個人情報や医療記録といった沢山の機微な情報を取り扱っていますが、こうした情報はサイバー犯罪者にとって格好の標的となる可能性があります。例えば、患者の個人情報をそのままアンダーグラウンド市場で売買したり、また情報を悪用すれば、さらなる詐欺行為を行うことが可能になるなど、サイバー犯罪者はさまざま方法で利益を得ることができるためです。また、機微な情報だけがサイバー犯罪者の狙いではありません。医療機関のネットワークに攻撃を仕掛け、医療機器やシステムの動作を不安定にし、患者の命を危険にさらすことで、身代金を要求するといった手口も想定されるでしょう。
2018年も国内の医療機関において、様々なセキュリティインシデントが発生しており、医療機関では自組織のネットワークのセキュリティリスクを把握した上で、セキュリティ対策の強化を検討していくことが求められています。
続きを読む「水」および「エネルギー」は重要インフラストラクチャの中でも特に中心的な部門と言えます。どちらの事業部門も、最新技術を取り入れながら、自然資源の利用と供給を効率化するために必要な改善を続けてきました。目下、そのような取り組みは、特に産業用 IoT(Industrial Internet of Things、IIoT)技術の統合による相互に連結されたシステムの構築に向けて進められています。水事業やエネルギー事業におけるこのような継続的開発により、個人および法人は、より効率的で信頼できる資源供給の恩恵を享受しています。しかし一方で、水事業やエネルギー事業に関連する重要システムの保護はますます難しいものとなっています。監視制御システム(Supervisory Control And Data Acquisition、SCADA)やヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)のような重要インフラストラクチャを支えるシステムで発見される脆弱性の増加に従い、重要部門が直面するリスクについて認識することの重要性が高まっています。
続きを読むトレンドマイクロは、コンテナ型仮想環境を提供するソフトウェア「Docker Engine Community 版」における設定の不備を悪用し、仮想通貨発掘マルウェア(「Coinminer.SH.MALXMR.ATNE」として検出)を拡散する攻撃を確認しました。感染 PC では Docker API が使用するポート「2375/TCP」および「2376/TCP」がインターネットに露出していました。