新型コロナウイルスの世界的流行によるテレワークの拡大に伴い、メッセージやビデオ会議などのアプリケーションソフトウェアやサービスに注目が集まる中で、例によって多くのサイバー犯罪者が人気のアプリケーションを偽装する手口を利用しています。トレンドマイクロは、2020年4月16日、「Viber」や「WhatsApp」、「Zoom」など人気サービスの偽インストーラを頒布する攻撃について報告しました。また、それより前の4月3日にも、Zoomインストーラを利用してコインマイナーを拡散する攻撃を確認しています。そして今度は、遠隔操作のために「RevCode WebMonitor」と呼ばれる市販の「Remote Access Tool(RAT)」を悪用する、同様の手口を用いた攻撃を確認しました。
続きを読むMITRE ATT&CK評価の導入は、サードパーティによるセキュリティ評価の業界において歓迎すべき出来事と言えます。MITRE ATT&CKフレームワークによる評価の実践は、セキュリティ業界全体、さらにセキュリティ市場でサービスが提供される個々のセキュリティ製品の進歩を支援する上で待ち望まれた大きな一歩と言えるでしょう。
これらの評価から得られる知見は非常に有益です。しかし一部の専門家を除き、評価結果の正しい理解はそう簡単ではないことも事実です。評価結果の情報は貴重であると同時に密度が高いため、データの確認、解釈、提示などの方法が多岐に及びます(事実、各ベンダから公表されたブログ記事や業界記事からでもその傾向が分かるでしょう)。評価結果の公開後、今後数週間で評価結果のデータ確認作業を続ける必要があるでしょう。
こうした確認作業が進むにつれ、より多くの点が明らかになってきます。当記事では、評価結果についてトレンドマイクロが確認した10の重要ポイントを解説します。 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロのリサーチャは、認証情報を詐取するフィッシングページをホストするため、様々なクラウドサービスのプラットフォームを悪用する活動を確認しました。悪用されたサービスとしては、ノート機能のクラウドサービスである「Evernote」をはじめ、画像編集サイト「Canva」、インフォグラフィックおよびチャート作成サイト「Infogram」、ブランドテンプレートプラットフォーム「Lucidpress」など、複数の共有プラットフォームがありました。 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロのリサーチャーは、不正なMicrosoft Excel 4.0マクロを含むシートを「VeryHidden」形式で非表示設定し、隠蔽する手口を確認、その詳細解析を行いました。Microsoftのドキュメントに記載されている通り、VBAマクロを使用してブック内のシートが非表示にされている場合、Microsoft Excelの一般機能からはシートを操作することができません。この不正マクロを含む不審なファイルは、スパムメールの添付ファイルとして使用されていました。 (さらに…)
続きを読む台湾の複数の企業において新たなランサムウェアファミリーを使用した標的型攻撃の被害が確認されました。「ColdLock」と名付けられたランサムウェアファミリーは標的のデータベースやメールサーバを暗号化する機能を備え、感染した企業に甚大な被害を及ぼす危険性があります。
トレンドマイクロが収集した情報によると、この標的型攻撃は、2019年5月上旬から攻撃を開始していたことが示されています。またランサムウェアの解析結果からは、過去の2つのランサムウェアファミリー「Lockergoga」(「LOCKERGOGA」ファミリーとして検出対応)および「Freezing」(「FREEZING」ファミリーとして検知対応)、さらにはオープンソースのランサムウェアキット「EDA2」との類似点も確認されました。今回被害が確認された複数の企業以外が攻撃を受けた兆候は、現在のところ確認されておらず、このマルウェアファミリーが広く拡散している状況は考えにくいと判断しています。
トレンドマイクロ製品のユーザはこの脅威から保護されています。今回確認されたランサムウェアは「Ransom.MSIL.COLDLOCK.YPAE-A」や「Ransom.PS1.COLDLOCK.YPAE-A」などとして検出されます。以下、今回の脅威およびランサムウェアの挙動、他のランサムウェアとの関連について解説します。 (さらに…)
続きを読むApache Tomcatに確認された「Ghostcat(ゴーストキャット)」の脆弱性、「CVE-2020-1938」および「CNVD-2020-10487」が論議を引き起こしています。この脆弱性が及ぼす影響について、とりわけ、Ghostcatがリモートコード実行(Remote Code Execution、RCE)に使用される可能性についてのリサーチャーによる調査結果が注目されています。
オープンソースの「Apache Tomcat」は、Java ServletやJavaServer Pages (JSP) を実行するためのサーブレットコンテナです。多くのユーザに利用されているため、確認されたGhostcatの脆弱性が深刻視されるのは当然のことと言えます。今回のブログ記事では、最も懸念されるGhostcat悪用のシナリオ、つまりこの脆弱性を利用することによってRCEが可能になり得るという、稀な状況を想定し、その深刻度について解説します。
続きを読むトレンドマイクロは2020年3月末、サイバー諜報活動と推測されるキャンペーンを確認し、「Project Spy(プロジェクトスパイ)」と名付けました。Project Spyは、Android端末の場合「AndroidOS_ProjectSpy.HRX」、 iOS端末であれば「IOS_ProjectSpy.A」として検出される情報窃取型不正アプリ(スパイウェア)を感染させます。Project Spyは新型コロナウイルスの世界的流行をおとりとして利用し、「Corona Updates」というアプリに偽装し不正アプリを配布していました。しかし調査をするうちに、それよりも以前に配布されていたGoogleサービスと音楽のアプリを偽装する初期バージョンも確認できました。なお、これらの不正アプリは、パキスタン、インド、アフガニスタン、バングラデシュ、イラン、サウジアラビア、オーストリア、ルーマニア、グレナダ、ロシアにおいてダウンロードされており、そのダウンロード数は比較的少数であったことも確認されています。 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロは2019年9月、当時はまだ特定されていなかったエクスプロイトキットを使用するキャンペーンを確認し、「Operation Overtrap(オーバートラップ作戦)」と名付けました。その後の調査により、日本国内のネットバンキング利用者のみを狙う攻撃であり、下図のような3方向の攻撃から最終的に国内金融機関のネットバンキング利用者の認証情報を詐取することを確認しました。特に2019年9月以降は、不正広告(マルバタイジング)経由でエクスプロイトキットと呼ばれる脆弱性攻撃ツールへ誘導する攻撃を主に確認しています。
- URLリンクを含んだメールにより、ネットバンキングのWebサイトを偽装したフィッシングページへ利用者を誘導
- URLリンクを含んだメールにより、不正サイトへ誘導し、ダウンロードされるファイル(実はマルウェアの実行ファイル)を実行させる
- 不正広告経由でエクスプロイトキットを使用しマルウェアを配信
本ブログ記事では、トレンドマイクロがオーバートラップ作戦のキャンペーンを確認した経緯とともに、攻撃に利用された新しいバンキングトロジャン(オンライン銀行詐欺ツール)「Cinobi(シノビ)」(トレンドマイクロでは「TrojanSpy.Win32.CINOBI.A」などで検出)について解説します。 (さらに…)
続きを読む