「ランサムウェア」とは、侵入したコンピュータを使用不能にする、コンピュータ内のデータを暗号化する、などの方法を用いてコンピュータ使用者に「身代金」を要求する脅迫的活動を行う不正プログラムの総称です。トレンドマイクロでは特にデータを暗号化する手法のものを「Cryptoランサムウェア」と呼んで区別しています。弊社では日本語表示に対応した Cryptoランサムウェア「TROJ_CRYPWALL.XXQQ」が、2015年4月17日前後から国内インターネット利用者の環境で検出されていることを確認しました。この「TROJ_CRYPWALL.XXQQ」は実行されるとコンピュータ内のファイルを暗号化し、次に暗号化したファイルを元に戻すにはどうすればよいかを示す「脅迫メッセージ」を表示します。この際、感染PC が日本語環境だった場合、日本語でメッセージが表示されます。
続きを読む「国際刑事警察機構(インターポール)」は、2015年4月13日、トレンドマイクロ、Microsoft、カスペルスキーおよびサイバーディフェンス研究所との協力により、ボットネット「SIMDA」を閉鎖したことを発表しました。この閉鎖は、セキュリティ業界にとっての大きな成功と言えます。弊社からは、関連するサーバの IPアドレスや利用された不正プログラムの統計情報などを提供し、今回のボットネット「SIMDA」の閉鎖に貢献しました。
続きを読むこれまで、日本を標的とするオンライン銀行詐欺ツールとしては、「ZBOT」、「AIBATOOK」、「VAWTRAK」が確認されていました。これらに加えネットバンキングを狙う新たな脅威として、2014年12月に「WERDLOD」が登場しています。この新たな脅威について、本ブログでは既に 2014年12月10日の記事で報じていましたが、今回の記事ではネットバンキングを狙うその巧妙な攻撃手口について解説します。この不正プログラムは、発見当時「TROJ_ARTIEF」、「TROJ_VB」として検出対応されていましたが、その後すぐに検出名を「TROJ_WERDLOD」と改称されました。
続きを読む「URSNIF」は、もとより情報を収集する不正プログラムとして周知されていましたが、さまざまな機能を備えていることでも知られ、例えば、バックドア型不正プログラム「BKDR_URSNIF.SM」や情報窃取型不正プログラム「TSPY_URSNIF.YNJ」、が「URSNIF」の亜種として挙げられます。そして2014年末、ファイル感染機能を追加した「PE_URSNIF.A-O」が確認されました。
続きを読むトレンドマイクロは、家庭用ルータの脆弱な部分を突いた攻撃に関する報告を多数確認しています。弊社の調査によると、2008年には早くも、ルータを不正操作する不正プログラムがユーザを別の Webサイトに誘導する事例を確認しました。また、UDP ポートを開放した状態にするルータの不具合や、ホストに合わせた IPアドレスに変更することで他のホストにアクセスする「DNSリバインディング」といった事例も確認しています。こうした事例における攻撃の意図や目的は、非常にわかりやすいものです。
続きを読む企業や組織でセキュリティに従事する現場担当の方々は、日々のインシデント対応や、セキュリティレベルの向上を目指す中で、様々な疑問に直面していると思います。どんな対策をどこまでやれば安全なのか?ネットワークに脅威が侵入してしまったときに何をすればよいのか?本連載「すぐに役立つセキュリティ対策」では、トレンドマイクロのエキスパートたちが、お客様からの調査依頼対応やインシデントハンドリングの中から得たセキュリティ専門家としての知見を、すぐに業務に活かせる形で提供してまいります。前回は問題端末の特定には、事前の準備、内部統制による管理が不可欠という話でした。今回は、問題端末に対する不審ファイル特定の調査の中で、ほぼ定番のようになっている「端末をネットワークから外す」対応、いわゆる「抜線」対応について述べます。
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