2014年2月上旬、ゲームアプリ「Flappy Bird」削除後に偽アプリが確認されたことを本ブログ上で報告しました。トレンドマイクロでは、この背景を調査する過程で、同じように危険性の高いモバイルアプリを作成および配信している複数のサードパーティのアプリストアを確認しました。
続きを読む2011年、日本で「カレログ」というAndroidアプリの存在が大きな注目を集めました。カレログは「彼氏追跡情報サービス」の名目で、スマートフォン上のメールやSMS、Web閲覧履歴などの情報取得に加え、通話記録やGPSによる位置情報など物理的な情報までも追跡する機能を持っていました。当然、個人のプライバシーや法的な観点から問題視され、当時の総務相がコメントを出す事態となりました。 その後、運営元は2012年にカレログのサービスを終了し後継サービスに引き継ぐなど、問題点の改善を続けましたが、2014年には後継サービスも提供終了となりました。
続きを読むAndroidアプリ「WhatsApp」に存在する脆弱性「CVE-2019-11932」は、2019年10月2日、「Awakened」と呼ばれるリサーチャによって初めて公開されました。細工した不正なGIFファイルを使用することによってリモートでコードの実行が可能になるこの脆弱性は、更新されたWhatsAppのバージョン2.19.244で対処済みとなりました。しかし、この脆弱性の根本的な問題は、Android用画像読み込みライブラリのパッケージである「android-gif-drawable」に含まれる「libpl_droidsonroids_gif.so」というライブラリに存在します。つまり、問題はWhatsAppだけのものではない可能性がある、ということです。ライブラリ自体の欠陥についてもすでに対処されているものの、多くのアプリが依然として古いバージョンのライブラリを使用しているため、リスクにさらされたままとなっています。
(さらに…)
Android 端末向け不正アプリ「FAKESPY(フェイクスパイ)」(「ANDROIDOS_FAKESPY.HRX」として検出)が確認されました。不正アプリの拡散には、サードパーティのアプリストアを利用する手法が一般的ですが、「CPUMINER」、「BankBot」、「MilkyDoor」のように、正規アプリストアである Google Play や App Store で不正アプリが公開されていた事例も確認されています。しかし、FAKESPY は、テキストメッセージ(ショートメッセージ、SMS)を利用して対象を不正な Web ページに誘導する「スミッシング(SMS+Phishing)」によって拡散します。有名企業からのメッセージを偽装するこの手法は 1 月 15 日および 2 月 2 日の本ブログでお伝えした不正アプリの攻撃が継続しているものと言えます。
続きを読むトレンドマイクロは、感染端末の計算能力を盗用して仮想通貨「Monero(XMR)」を発掘する Android 端末向け不正アプリ「HIDDENMINER(ヒドゥンマイナー)」(「ANDROIDOS_HIDDENMINER」として検出)を確認しました。この不正アプリは、ユーザが感染に気付かないように自身を隠ぺいし、管理者権限を悪用することによって活動を継続する機能を備えています。管理者権限の悪用は、「SLocker」のような Android 端末向けランサムウェアでよく確認されていた手法です。
HIDDENMINER をさらに詳しく解析したところ、この不正アプリに関連する発掘プールとウォレットアドレスを確認することができました。あるウォレットアドレスからは 26 XMR(2018 年 4 月 2 日時点で約 495,000 円)の Monero が引き出されていたことも判明しています。ウォレットアドレスの利用状況から、感染端末を利用した非常に活発な仮想通貨発掘活動が行われていることが分かりました。
HIDDENMINER は端末の CPU の計算能力を利用して Moneroを発掘しますが、発掘活動を停止する機能は無く、制御や最適化も行いません。そのため、端末のリソースを消費し尽くすまで発掘を続けます。これによって端末が過熱し、場合によっては物理的な損傷が発生する可能性もあります。
続きを読むAndroid 端末向け不正アプリ「AndroRAT」(「ANDROIDOS_ANDRORAT.HRXC」として検出)の新しい亜種が確認されました。この不正アプリは「Remote Access Tool(RAT)」で、サイレントインストール、シェルコマンドの実行、Wi-Fi パスワードの収集、画面キャプチャのような不正活動のために、脆弱性を利用して端末をルート化します。この AndroRAT の亜種は、2016 年に公表された脆弱性「CVE-2015-1805」を利用し、権限を必要とするさまざまな不正活動を実行します。CVE-2015-1805 は Marshmallow より前の Android バージョンに影響を与えます。
続きを読むトレンドマイクロは、2017 年末から、Android 端末ユーザを標的とする諜報活動を確認してきました。今回報告する攻撃では、インドのユーザを狙った Android 端末向け不正アプリが利用されており、その背後には、以前政府職員を標的とした攻撃で確認されたハッカー集団がいると考えられます。弊社は当該アプリを「PORIEWSPY(ポリュースパイ)」と名付け、「ANDROIDOS_PORIEWSPY.HRX」として検出対応しています。共通のコマンド&コントロール(C&C)サーバを利用していることから、同集団は、「DroidJack/SandroRAT」(「ANDROIDOS_SANRAT.A」として検出)を元に作成された不正アプリも利用してると考えられます。DroidJackは感染した Android 端末を完全に操作することのできる「Remote Access Tool(RAT)」です。
これらの不正アプリの背後にいる攻撃者は、2016 年に報告されたサイバー諜報活動集団と関連しているかもしれませんが、この集団が以前の活動とは関係の無い別の攻撃を開始している可能性もあります。
続きを読む本ブログでは、トレンドマイクロのクラウド型セキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network(SPN)」の「Mobile App Reputation(MAR)」からのフィードバック、および、昨年発生した事例の外部の調査データを基に、2016年における世界のモバイル脅威事情を 2回にわたって振り返ります。今回はモバイル端末の脆弱性を利用する攻撃と Apple iOS のセキュリティを崩そうとする攻撃について解説するとともに、今後の脅威予測についてもまとめます。サイバー犯罪者は、次々と確認され公開される脆弱性を利用して攻撃経路の拡大、マルウェアの改良を行いました。2016年を通じ、世界中で脆弱性を利用するマルウェアと「ルート権限取得(ルート化)」するマルウェアが多く確認されると共に、特に Android端末に比べ攻撃が難しいと考えられる iOS端末にも攻撃を仕掛けていきました。
続きを読む