Trend Microが海外で提供する「Managed XDR」とインシデントレスポンス(IR)チームは、2020年3月に初めて発見されたランサムウェア「Nefilim(ネフィリム)」の侵入を受けた企業の事例を調査しました。この調査から、Nefilimを使用する攻撃者によるネットワーク侵入後の巧妙な活動と、標的組織に対する事前の情報入手の可能性が明らかになりました。 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロは2019年9月、当時はまだ特定されていなかったエクスプロイトキットを使用するキャンペーンを確認し、「Operation Overtrap(オーバートラップ作戦)」と名付けました。その後の調査により、日本国内のネットバンキング利用者のみを狙う攻撃であり、下図のような3方向の攻撃から最終的に国内金融機関のネットバンキング利用者の認証情報を詐取することを確認しました。特に2019年9月以降は、不正広告(マルバタイジング)経由でエクスプロイトキットと呼ばれる脆弱性攻撃ツールへ誘導する攻撃を主に確認しています。
- URLリンクを含んだメールにより、ネットバンキングのWebサイトを偽装したフィッシングページへ利用者を誘導
- URLリンクを含んだメールにより、不正サイトへ誘導し、ダウンロードされるファイル(実はマルウェアの実行ファイル)を実行させる
- 不正広告経由でエクスプロイトキットを使用しマルウェアを配信
本ブログ記事では、トレンドマイクロがオーバートラップ作戦のキャンペーンを確認した経緯とともに、攻撃に利用された新しいバンキングトロジャン(オンライン銀行詐欺ツール)「Cinobi(シノビ)」(トレンドマイクロでは「TrojanSpy.Win32.CINOBI.A」などで検出)について解説します。 (さらに…)
続きを読むAndroid向け不正アプリ「Geost(ゲオスト)」は、ロシアのモバイルバンキングを標的とするバンキングトロジャンの活動を行うものです。Geostのボットネットによる被害者は、Virus Bulletinで調査報告が公開された昨年2019年の時点で、80万人を超えていました。調査によって、Geostがユーザから収集する情報や、利用する手法、そしてボットマスターとボットネット間で行われる通信など、ボットネットの背後にあるグループの活動について明らかにされています。
続きを読む「Gamaredon(ガマレドン)」は2013年頃から活動していると言われる、標的型攻撃のグループです。このグループはこれまで、ウクライナの政府機関に対して集中的にサイバー攻撃を仕掛けてきたことで知られています。しかしトレンドマイクロでは2020年3月、Gamaredonのものと思われるマルウェアを添付したメールが日本国内において複数回着弾するのを観測しました。また、ハンガリー等欧州諸国にも同様のマルウェアが着弾した可能性があります。Gamaredonは2018年秋頃から活発化し、2019年夏以降はさらに活発化しているとみられ、今回Gamaredonが活発化する中で日本も攻撃対象に含められたのか、あるいは偶然に「流れ弾」が着弾しただけであるかの判断には至っていません。ただし、ワーストケース(=日本が攻撃対象に含まれたこと)を想定し、このブログ記事ではGamaredonとその攻撃手法について報告します。
続きを読むフィッシングは、インターネット上で最も長くサイバー犯罪者に利用されている詐欺手口の1つです。利用者を特定のWebページやサービスの偽サイトへ誘導し、利用者自らに情報を入力させて詐取します。フィッシングを含め、いわゆるネット詐欺では本物そっくりの「偽サイト」が使用されます。非常によく利用される手口のため、企業や個人ユーザは、認知の有無を問わず、おそらくはこれまでに多くのフィッシングページを目にしていることでしょう。2017年7月27日公開のブログ記事では、利用者がフィッシング攻撃を見抜くためのポイントについて解説しています。しかし、この他にどのような対策を講じれば、偽サイトを使用するフィッシング攻撃を、事前的かつ能動的に検出および阻止できるでしょうか?本記事ではドメイン名の仕組みについておさらいし、ゾーンファイルに含まれた不審なドメイン名の監視により特定法人組織を偽装するフィッシング攻撃を未然に防ぐ取り組みについて解説します。自組織の偽サイトに悩まされている法人利用者の参考にもなるでしょう。
続きを読むトレンドマイクロは、クリーナーやブースターなどAndroid向けユーティリティアプリとしてGoogle Play上で配信されていた不正アプリ(AndroidOS_BadBooster.HRXとして検出)を多数確認しました。これらのアプリは、不正な目的のために、デバイスに表示させる広告の設定を管理するサーバへアクセスして、モバイル広告詐欺(Mobile Ad Fraud)を実行すると共に、感染デバイスへさらに別の不正アプリをダウンロードし感染させます。「ファイルの整理や削除によってデバイスのパフォーマンスを向上させるアプリ」に偽装したこれらの不正アプリは、合計で47万回以上ダウンロードされていました。弊社の調査から、同種の不正活動は2017年から開始されていたことが判明しています。なお、本記事執筆時点においてこれらの不正アプリはGoogle Playストアから削除されています。
続きを読む