テレワークの普及は以前から予測されていましたが、現在進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)の発生に対応して、世界中の多くの企業が急遽テレワークを導入している状況です。その結果、リモートから企業内ネットワークにサインインする従業員や、SaaS(Software as a Service)を利用する従業員が増加しています。このように必要に迫られた急激な変化の際には、さらなるセキュリティリスクが生じる可能性があります。
続きを読むサイバー犯罪者が話題のニュースをマルウェアスパムに利用することは常套手段となっています。彼らはソーシャルエンジニアリングの手法を用いて、現在多くの関心を引く話題、イベントや出来事、あるいは人物を利用し、タイムリーに攻撃します。その意味で、現在世界的な関心事となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に便乗する様々な攻撃が、世界中で確認されているのは、ある意味当然のことと言えます。国内では2月4日の本ブログ記事でもお伝えしたような不審メールが確認されていましたが、その後、新型コロナウイルス対策で品薄状態が続くマスク販売の偽サイトを確認しました。またトレンドマイクロのリサーチャーは、世界的にも新型コロナウイルスに便乗したマルウェアスパム、また「coronavirus」および「corona」という単語を利用したマルウェア名や不正なドメイン名の増加を確認しています。
続きを読むトレンドマイクロでは2019年における国内外での脅威動向について分析を行いました。特に国内での脅威を振り返った場合、個人利用者が直接の被害を受ける攻撃としては、9月以降に顕著化した国内ネットバンキングのワンタイムパスワード突破を狙うフィッシング攻撃に加え、利用者のカード情報詐取を狙うECサイト改ざんの攻撃などが挙げられます。また、特に法人組織に被害を与える攻撃として、2019年前半には法人利用者におけるランサムウェア被害が顕在化しました。そして、10月以降には、メール経由で拡散する「EMOTET」の攻撃が、最も大きな脅威となりました。これらの攻撃の中からは「人の弱点を利用し常識を覆す攻撃」と「高度な攻撃手法の一般化」が見られています。
続きを読むフィッシングは、インターネット上で最も長くサイバー犯罪者に利用されている詐欺手口の1つです。利用者を特定のWebページやサービスの偽サイトへ誘導し、利用者自らに情報を入力させて詐取します。フィッシングを含め、いわゆるネット詐欺では本物そっくりの「偽サイト」が使用されます。非常によく利用される手口のため、企業や個人ユーザは、認知の有無を問わず、おそらくはこれまでに多くのフィッシングページを目にしていることでしょう。2017年7月27日公開のブログ記事では、利用者がフィッシング攻撃を見抜くためのポイントについて解説しています。しかし、この他にどのような対策を講じれば、偽サイトを使用するフィッシング攻撃を、事前的かつ能動的に検出および阻止できるでしょうか?本記事ではドメイン名の仕組みについておさらいし、ゾーンファイルに含まれた不審なドメイン名の監視により特定法人組織を偽装するフィッシング攻撃を未然に防ぐ取り組みについて解説します。自組織の偽サイトに悩まされている法人利用者の参考にもなるでしょう。
続きを読むソーシャルエンジニアリングの手法を使い、メール受信者に恐怖心を抱かせて金銭を要求する新しいセクストーション(性的脅迫)の手口が確認されました。最近のセクストーションの手口の傾向に違わずビットコインでの支払いを要求するこの事例は、今年2020年初め、メールセキュリティ企業「Mimecast」のリサーチャによって確認されました。1月2日から3日にかけて、主に米国のメールアカウント所有者にむけて合計1,687通の脅迫メールが送信されたことが報告されています。
一見したところこの手口は過去数年間で確認されている他のセクストーションのものと違いはありません。あまり珍しくない、「要求額を支払わなければ、受信者の裸が映った動画を成人向けWebサイトで公開する」という脅迫内容です。
続きを読むインターネット上にいったん公開されたデジタルデータを消去することは困難です。特に、個人利用者や法人組織から漏えいした情報は、暴露されたり、サイバー犯罪者間で取引されたりして広まり、抹消することは困難です。結果的に、新たなサイバー犯罪に何度も「再利用」される可能性があります。2015年に「Ashley Madison(アシュレイ・マディソン) 」から漏えいしたとされる情報は、サイバー犯罪における漏えい情報再利用の例となってしまいました。
Ashley Madison は、既婚者向けの出会い系サイトです。2015年、サイトの運営会社「Avid Life Media」が「Impact Team」として知られるハッカー集団によってハッキングされました。Impact TeamはAvid Life Media に対し、Ashley Madisonともう一つの類似Webサイトを閉鎖しなければ、同サイトから収集した個人情報を暴露すると脅しました。Avid Life Mediaはこの要求に応じず、Impact Teamは数百万の会員の個人情報をダークWeb上で公開するに至りました。
![](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/AMadison_email1.jpg)
図:確認された脅迫メールの例
続きを読む長期にわたって活動を継続しているマルウェアは、時間と共にその活動内容を変化させていく傾向にあります。2013年前後に登場したAndroid向けバンキングトロジャン「FakeToken(フェイクトークン)」もその1つです。2017年に確認されたFakeTokenは、タクシー配車アプリを偽装し、感染端末から個人を特定できる情報(PII)を窃取する機能に加え、ランサムウェア機能まで持っていました。そして2020年に入り、カスペルスキーのリサーチャは、約5,000台のスマートフォンがSMSで海外へ迷惑メッセージを送信していたことを検知しました。そしてそれは、FakeTokenの新しい機能によるものであることが確認されました。
続きを読む