トレンドマイクロが、Netflixを偽装したフィッシングサイトhxxp://<省略>[.]com/netflix/を調査したところ、ユーザの位置情報を取得する活動を行うことが判明しました。このフィッシングサイトは、PartnerRe社の情報セキュリティアナリストAndrea Palmieri氏がTwitterの投稿で、アカウント情報、クレジットカードの認証情報、個人を特定できる情報(PII、Personally Identifiable Information)の収集を行うと指摘したものでした。
トレンドマイクロのリサーチャーは、不正なMicrosoft Excel 4.0マクロを含むシートを「VeryHidden」形式で非表示設定し、隠蔽する手口を確認、その詳細解析を行いました。Microsoftのドキュメントに記載されている通り、VBAマクロを使用してブック内のシートが非表示にされている場合、Microsoft Excelの一般機能からはシートを操作することができません。この不正マクロを含む不審なファイルは、スパムメールの添付ファイルとして使用されていました。 (さらに…)
続きを読むサイバー犯罪者が話題のニュースをマルウェアスパムに利用することは常套手段となっています。彼らはソーシャルエンジニアリングの手法を用いて、現在多くの関心を引く話題、イベントや出来事、あるいは人物を利用し、タイムリーに攻撃します。その意味で、現在世界的な関心事となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に便乗する様々な攻撃が、世界中で確認されているのは、ある意味当然のことと言えます。国内では2月4日の本ブログ記事でもお伝えしたような不審メールが確認されていましたが、その後、新型コロナウイルス対策で品薄状態が続くマスク販売の偽サイトを確認しました。またトレンドマイクロのリサーチャーは、世界的にも新型コロナウイルスに便乗したマルウェアスパム、また「coronavirus」および「corona」という単語を利用したマルウェア名や不正なドメイン名の増加を確認しています。
感染端末の近隣にある無線LAN(Wi-Fiネットワーク)に侵入して拡散する「EMOTET(エモテット)」の新しい亜種が確認されました。この拡散手法は、通常スパムメールによって拡散するこれまでのEMOTETの典型から外れています。ただし、EMOTETはこれまでも、その時々に活動を変化させてきた過去があります。EMOTETは、2014年、「TrojanSpy.Win32.EMOTET.THIBEAI」としてトレンドマイクロのリサーチャによって初めて確認されました。当初は、感染コンピュータから個人情報を窃取する「バンキングトロジャン(オンライン銀行詐欺ツール)」でした。EMOTETはこれまで、新型コロナウイルス(2019-nCoV)のような注目のニュースや感謝祭などのイベントに便乗したスパムメールを利用して拡散してきました。EMOTETの感染によって、独フランクフルトのITネットワークがシャットダウンを余儀なくされた事例も報告されています。最近では、話題のニュース記事のテキストを使用して検出回避を図るEMOTETも見つかっています。そして今回、確認されたEMOTETの亜種は、WindowsのwlanAPIインターフェイスの機能を使い、感染端末から近隣のWi-Fiネットワークへ拡散します。
続きを読むソーシャルエンジニアリングの手法を使い、メール受信者に恐怖心を抱かせて金銭を要求する新しいセクストーション(性的脅迫)の手口が確認されました。最近のセクストーションの手口の傾向に違わずビットコインでの支払いを要求するこの事例は、今年2020年初め、メールセキュリティ企業「Mimecast」のリサーチャによって確認されました。1月2日から3日にかけて、主に米国のメールアカウント所有者にむけて合計1,687通の脅迫メールが送信されたことが報告されています。
一見したところこの手口は過去数年間で確認されている他のセクストーションのものと違いはありません。あまり珍しくない、「要求額を支払わなければ、受信者の裸が映った動画を成人向けWebサイトで公開する」という脅迫内容です。
続きを読むインターネット上にいったん公開されたデジタルデータを消去することは困難です。特に、個人利用者や法人組織から漏えいした情報は、暴露されたり、サイバー犯罪者間で取引されたりして広まり、抹消することは困難です。結果的に、新たなサイバー犯罪に何度も「再利用」される可能性があります。2015年に「Ashley Madison(アシュレイ・マディソン) 」から漏えいしたとされる情報は、サイバー犯罪における漏えい情報再利用の例となってしまいました。
Ashley Madison は、既婚者向けの出会い系サイトです。2015年、サイトの運営会社「Avid Life Media」が「Impact Team」として知られるハッカー集団によってハッキングされました。Impact TeamはAvid Life Media に対し、Ashley Madisonともう一つの類似Webサイトを閉鎖しなければ、同サイトから収集した個人情報を暴露すると脅しました。Avid Life Mediaはこの要求に応じず、Impact Teamは数百万の会員の個人情報をダークWeb上で公開するに至りました。
図:確認された脅迫メールの例
続きを読むサイバー犯罪者による攻撃メールでは、受信者を騙し、不正サイトへ誘導したり、添付ファイルを開かせたりしようとする手口が日常的に使用されています。中でも、その時々に注目を集めている話題に便乗する手口は、大きなイベントの開催や事件発生の度に見られる常套手段です。今、世界的に注目されている事件と言えば、中国の武漢で発生したとされる新型コロナウイルス(2019-nCoV)でしょう。その影響は中国とその周辺諸国から世界的に広がっており、世界保健機関WHOは「世界的な緊急事態」を宣言、日本の厚生労働省も公式勧告を出しています。サイバー犯罪者がこのように注目される話題に便乗することは、ある意味当然のことですが、トレンドマイクロでは実際に、この新型コロナウイルスの話題に便乗する手口を連続して確認しました。
図1:新型コロナウイルスに便乗するテキストメッセージの例
(2020年2月確認の内容から再構成)
ビジネスメール詐欺(Business Email Compromise、BEC)は法人利用者に大きな被害を与え続けている攻撃の1つです。2019年9月、米国のインターネット犯罪苦情センター(IC3)の公表によれば、全世界における累計被害総額は、ほんの3年で262億米ドル以上(約2兆8,500億円)を越えました。このような巨額の被害に対し、具体的な被害が明るみになる事例はそれほど多くありません。そのような被害事例の1つが、米国のテキサス州で報じられました。
同州マナー市の独立学区「Manor Independent School District(MISD)」はビジネスメール詐欺(Business Email Compromise、BEC)の被害を受け、現在、当局による捜査が進められています。独立学区とは、米国で地域の教育機関(幼稚園から高等学校まで)の運営を担当する事業体のうち、特に自治体から独立して運営されているものです。報道によると、同学区と取引先のやりとりを偽装したメールにより、推定230万米ドル(約2億5,300万円)の損失が発生しました。同学区が投稿したTwitterによると、現在、マナー市の警察署および連邦捜査局(FBI)が協力して捜査を進めており、地域に向けて事件に関連する情報提供を求めています。
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