ビジネスメール詐欺(Business Email Compromise、BEC)は法人利用者に大きな被害を与え続けている攻撃の1つです。2019年9月、米国のインターネット犯罪苦情センター(IC3)の公表によれば、全世界における累計被害総額は、ほんの3年で262億米ドル以上(約2兆8,500億円)を越えました。このような巨額の被害に対し、具体的な被害が明るみになる事例はそれほど多くありません。そのような被害事例の1つが、米国のテキサス州で報じられました。
同州マナー市の独立学区「Manor Independent School District(MISD)」はビジネスメール詐欺(Business Email Compromise、BEC)の被害を受け、現在、当局による捜査が進められています。独立学区とは、米国で地域の教育機関(幼稚園から高等学校まで)の運営を担当する事業体のうち、特に自治体から独立して運営されているものです。報道によると、同学区と取引先のやりとりを偽装したメールにより、推定230万米ドル(約2億5,300万円)の損失が発生しました。同学区が投稿したTwitterによると、現在、マナー市の警察署および連邦捜査局(FBI)が協力して捜査を進めており、地域に向けて事件に関連する情報提供を求めています。
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