2021年7月28日、米国土安全保障省傘下のCybersecurity and Infrastructure Security Agency (CISA)は、2020年と2021年に悪用された脆弱性の上位を詳述した報告書を公開しました。 報告書によると、攻撃者が狙う新しい標的は、2019年以降に公開されたテレワーク(リモートワーク)、VPN(Virtual Private Network)、そしてクラウドベースの技術に関連する脆弱性です。新型コロナウイルスによってクラウド化が進むとともにサイバー攻撃者もターゲットをクラウドに移動しています。攻撃者はテレワークに関連したパッチ未適用の新しい脆弱性を狙い、防御する側は定期的なパッチの適用に奮闘してきました。攻撃者が脆弱性の悪用に成功すると、リモートコード実行(RCE)、任意のコード実行、パストラバーサルなどの手法により対象システムがコントロールされることになります。
続きを読むトレンドマイクロでは、ユーザを保護するためにサイバー攻撃の監視を行っています。その監視の中で、日本を狙う標的型サイバー攻撃キャンペーン「ChessMaster」の新たな活動をこの 2018年 4月に確認しました。ChessMaster は 2017年 7月から確認されている攻撃キャンペーンであり、当初は学術界、メディア、政府機関のような日本の組織を標的としてさまざまな攻撃ツールと手法を駆使した攻撃を行っていました。
利用する手口の巧妙さから当初推測された通り、ChessMaster はその後もツールおよび手法を変化させながら活動を続けてきました。以前の活動では、「ChChes」のような「Remote AccessTool(RAT)」を利用していましたが、2017年9月以降は新しいバックドア型マルウェア「ANEL(エイネル)」の利用を確認しています。今回も、複数の脆弱性を利用するANELの新たな亜種(「BKDR_ANEL.ZKEI」として検出)の利用が確認されました。
続きを読むMicrosoft は 2017 年 11 月、遠隔でのコード実行が可能になる Microsoft Office の脆弱性「CVE-2017-11882」を修正する更新プログラムを公開しました。しかし、更新プログラム公開後にも「COBALT」のようなサイバー犯罪集団がこの脆弱性を利用して情報窃取型マルウェア「FAREIT」やオンライン銀行詐欺ツール「URSNIF」および「Loki」を改造した情報窃取型マルウェアのようなさまざまなマルウェアを拡散していたことが確認されています。Loki は当初、パスワードや仮想通貨ウォレットを窃取することのできるキーロガーとして販売されていたマルウェアです。
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