今回トレンドマイクロは、個人向けVPNサービス「Windscribe VPN」の正規インストーラを侵害しバックドア型マルウェアをバンドルする攻撃手口を確認しました。バックドアを用いることでサイバー犯罪者は、適切な認証なしに遠隔からコンピュータにアクセスして制御できるようになります。今回調査された正規インストーラは不正ソースからダウンロードされたものであり、Windscribeの公式ダウンロードセンター、あるいはGoogleやAppleなどのアプリストアで配布されたものでないことに注意が必要です。特にサイバー犯罪者は以前よりビデオ会議アプリなどの他のプラットフォーム上でユーザを誘導するために、正規インストーラに不正ファイルをバンドルする手法を悪用していました。
続きを読むトレンドマイクロでは日夜脅威の監視と対応を行っています。その中からさまざまな脅威が利用する高度に開発された攻撃手法に着目しました。ランサムウェアにおいては、新たな暗号化型ランサムウェアファミリ「DARKSIDE(ダークサイド)」が出現する一方で、別のランサムウェアファミリ「CRYSIS」(別名Dharma)を背後で操る攻撃者がハッキングツールキットを一般に公開しました。メッセージ機能を悪用する脅威においては、攻撃対象を絞った標的型メールの送信活動(キャンペーン)を介して情報窃取型マルウェア「NEGASTEAL(ネガスティール)」(別名Agent Tesla)が拡散されました。またファイルレス活動を行う脅威においては、不正マイニングを狙い、コインマイナーが正規アプリケーションにバンドルされ頒布されていることが確認されました。
続きを読むトレンドマイクロが提供する製品「Trend Micro XDR™ Add-on: Apex One SaaS」は、攻撃を初期段階で検出し、発生中のインシデントを視覚化するために必要な可視性を提供します。これは企業のネットワーク防御の維持と解析を行うセキュリティ担当者、いわゆる「ブルーチーム」にとって、非常に有益な情報となります。弊社の「Trend Micro ™ Managed XDR 」チーム(以下XDRチーム)が最近対処したあるインシデントでは、悪意を持った攻撃者が特定の手法を攻撃に組み込んだことが明らかになりました。この攻撃手法は、ブルーチームとセキュリティリサーチャにとって、一連のイベントの解析がより困難化する複雑なものでした。本記事ではXDRチームが特定した複雑な攻撃手法と、特定に至った調査内容について解説します。 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロでは、Xcodeの開発者向けプロジェクト関連で、異常な感染を確認しました。さらに調査を進めたところ、特定の開発者のXcodeプロジェクト全体にソースマルウェアが含まれており、不正ペイロードの取得につながることが判明しました。本記事では、Mac向けマルウェア「XCSSET」に関する調査結果を要約します。この攻撃の詳細については、こちらの技術的詳細から確認可能です。トレンドマイクロでは、最初に侵入するマルウェアを「TrojanSpy.MacOS.XCSSET.A」として、そしてコマンド&コントロール(C&C)に関連するファイルを「Backdoor.MacOS.XCSSET.A」として検出しました。
図1:ソースマルウェアを含むXcodeプロジェクトのサンプルとそのコンテンツの例 (さらに…)
続きを読む昨年2019年、トレンドマイクロは高い人気を集めるInstagramアカウントのプロフィールを乗っ取る攻撃を確認しました。そして2020年10月現在、同様の手口を利用する攻撃が再び増加しています。今回の事例では、攻撃の目的である「アカウントの乗っ取り」は同じでも、新たな誘導手口が用いられています。どちらの攻撃もトルコ語を使用するハッカー集団が関与しており、Instagramからの正規メッセージに偽装したフィッシングメールを介して認証情報を窃取したのちInstagramアカウントを乗っ取っています。
![図1:2019年に弊社が確認したキャンペーンで利用されたフィッシングメールの一例](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2020/10/図1:2019年に弊社が確認したキャンペーンで利用されたフィッシングメールの一例-1.png)
2020年7月、F5Networksが提供する「BIG-IP」製品の2つの脆弱性が初めて公開されました。トレンドマイクロでは、この脆弱性の深刻度について理解を深めるため、本脆弱性およびその他の関連アクティビティの調査を行いました。この調査に関してはF5Networks側からご連絡、ご協力をいただいたことに感謝します。そしてこの調査の中で、モノのインターネット(IoT)を対象とするボット「Mirai」のダウンローダ(Trend Microでは「Trojan.SH.MIRAI.BOI」として検出)を確認しました。このダウンローダは露出した、つまりインターネット側からアクセス可能なBIG-IP製品を探し、公開された脆弱性の1つ「CVE-2020-5902」を利用して侵入、不正ペイロードの拡散を行います。また同時に既存の様々な脆弱性を利用することもわかりました。関連機器を使用するシステム管理者および個人は、各ツールに対して迅速にパッチを適用することを推奨します。 (さらに…)
続きを読む2020年に入っても、ランサムウェアは新たなファミリや攻撃手法、標的対象を次々と生み出し、今なお大きな脅威であり続けています。今回公開したトレンドマイクロの「2020年上半期セキュリティラウンドアップ」でも、「ランサムウェアの新たな戦略」として報告しておりますが、レポートではお伝えしきれなかった動向もありました。本記事では、新たに活発なメール経由の拡散が見られたランサムウェアファミリ「Avaddon(アヴァドン)」、一部のランサムウェアの亜種が実行する新たな検出回避手法、ランサムウェア攻撃が影響を与えた業界、検出数が最も多いランサムウェアファミリなどのランサムウェア動向をまとめて解説します。
![図1:Avaddonの拡散活動に用いられた電子メールの例](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2020/09/図1:Avaddonの拡散活動に用いられた電子メールの例-1.png)
トレンドマイクロでは2020年上半期(1~6月)における国内外での脅威動向について分析を行いました。2020年、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって、世界に大きな変化がもたらされることは、誰も予想していなかったことでしょう。コロナ禍が及ぼした大きな影響は、実世界においてもサイバー世界においても「新たな日常」となりました。サイバー犯罪者はこの状況を利用し、メール、ソーシャルメディア、不正サイト、偽アプリなど、幅広いプラットフォームでさまざまな手口を駆使した攻撃を次々に展開しました。特にこの上半期の期間、国内におけるフィッシング詐欺は過去最大規模となりました。これは多くの利用者において、ネットワークアクセスに費やす時間が長くなっていることなども影響しているものと考えられます。
続きを読む