さまざまなマルウェア拡散の手口が確認されている中で、正規ソフトウェアへの偽装はサイバー犯罪者によってよく利用されているもの1つです。今回の事例は、違法なクラッキングツールまでもがマルウェアの拡散に利用されているという点で珍しいものだと言えます。本記事ではAdobe製ソフトウェアを不正利用するための違法なクラッキングツール「Adobe Zii」に偽装したmacOS向けマルウェアについて解説します。このマルウェアは、ブラウザからクレジットカード情報や認証情報を窃取し、仮想通貨発掘ツールを実行する機能を備えていました。
続きを読むトレンドマイクロは、カメラアプリに偽装した複数のAndroid端末向け不正アプリ(「AndroidOS_BadCamera.HRX」として検出))をGoogle Playで確認しました。これらの不正アプリは、遠隔サーバから設定をダウンロードしてポップアップ広告を表示し、クリックしたユーザをフィッシングサイトやポルノアプリに誘導します。他にも、ユーザがアップロードした画像を窃取する、画像加工アプリに偽装した不正アプリも確認されています。これらの中にはすでに百万回以上ダウンロードされている不正アプリもありました。カメラアプリや画像加工アプリの人気を考えると、このようなダウンロード数は驚くべきことではありません。ダウンロードの大半はインドを中心としたアジアからのものでした。
本記事執筆時点(2019年1月30日)でGoogle はすでにこれらの不正アプリをGoogle Playから削除しています。
図 1:Google Playで確認された不正なカメラアプリ
トレンドマイクロは、主に中国で利用されているWebアプリケーション開発フレームワーク「ThinkPHP」で遠隔からのコード実行(Remote Code Execution、RCE)が可能になる脆弱性が、Miraiの新しい亜種「Yowai」および「Gafgyt」の亜種「Hakai」によって利用されていることを確認しました。これらのマルウェアは初期設定の認証情報を利用した辞書攻撃や脆弱性攻撃によって侵入し、感染したデバイスをボット化して「分散型サービス拒否(distributed denial-of-service、DDoS)攻撃」に利用します。YowaiおよびHakaiによる攻撃の急増が2019年1月11日から17日にかけて確認されています。
続きを読むトレンドマイクロでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威の動向から、①フィッシング詐欺、②SMSを発端とする不正アプリ拡散、③「セクストーション」スパム が2018年に発生した個人利用者を狙う「三大脅威」であったと分析しています。本ブログでは、この2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えしています。1月17日の記事では個人利用者を狙う脅威として「フィッシング詐欺」を取り上げました。最終回の今回は、個人利用者に対する脅威の中から「SMSを発端とする不正アプリ拡散」と「セクストーションスパム」に焦点を当てて分析します。
図:2018年国内の個人における三大脅威
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