オンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)は、利用者から詐取したクレジットカード情報をサイバー犯罪者が運用する不正サーバへアップロードします。このような詐取情報を集積するための不正サーバは、特に「マニピュレーションサーバ」とも呼ばれています。今回、社外のセキュリティリサーチャーからの情報提供を基に、トレンドマイクロでは活動継続中のマニピュレーションサーバを確認しました。そして更なる調査により、マニピュレーションサーバ内に日本国内のクレジットカード情報が最大 1,800 件保持されていたことを突き止めました。マニピュレーションサーバ内の情報が確認できるケースは稀であり、日本を狙うバンキングトロジャンによる被害の実体を示す貴重な事例として報告します。なお、トレンドマイクロでは、既に詐取されたみられるクレジットカード情報について各カード会社への連絡を行っております。
続きを読むトレンドマイクロは、2017年9月にも、古くからあるオンライン銀行詐欺ツール「EMOTET(エモテット)」がそのような不正なマクロを利用した手法で金融機関以外の業界や新しい地域へと対象を拡大する活動について報告しました。
不正なマクロと PowerShell を利用する「EMOTET」の感染フロー
「RAMNIT(ラムニット)」は、以前からネットバンキングの認証情報を詐取し最終的に不正送金を行う「オンライン銀行詐欺ツール(バンキングトロジャン)」として知られています。これまで RAMNIT は日本ではなく、海外のネットバンキングを標的としてきました。しかし、2017年に入り日本を標的とする動きをみせており、これまでの調査では国内クレジットカード会社 12社のサイトが攻撃対象となっていることが確認されました。海外で既に大きな脅威となっている不正プログラムが、日本にも攻撃の矛先を向けてきた事例として注意が必要です。
続きを読む英国の詐欺やサイバー犯罪の報告センターである「Action Fraud」は、2017年1月12日(現地時間)、移住者支援慈善団体「Migrant Helpline」を偽装して寄付者を狙う標的型メールを利用した詐欺について注意喚起しました。標的型メールには、寄付ページへのリンクが含まれていました。ユーザが何も疑わずにリンクをクリックすると、正規の Webサイトが開く代わりに、「RAMNIT(ラムニット)」がダウンロードされます。「RAMNIT」は、現在活動しているマルウェアの中でも非常に強力なものの一つで、2016年に脅威状況に復活しました。
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