トレンドマイクロでは2019年第1四半期(1~3月)における国内外での脅威動向について分析を行いました。数年前まで全世界的に猛威を振るっていたランサムウェアの攻撃は2018年には急減し、既に終わった脅威のように思われているかもしれません。しかし法人でのランサムウェア被害事例の中からは、明確に法人組織を狙った標的型攻撃の中でランサムウェアが使用されたと言える事例が複数確認されており、事業継続を脅かすような深刻な被害を与える存在となっています。
続きを読む宅配荷物の不在通知を偽装するSMSの攻撃は継続してその手口を変化させています。前回3月の記事では新たに携帯電話事業者Webページを偽装した手口をお伝えしましたが、この4月にはまた別の事業者のWebページを偽装する手口にシフトしてきました。この不正アプリ拡散をねらう偽装SMSの攻撃では、去年前半にも活発に詐称する業者を変えていましたが今後も同様の変化に注意が必要です。
続きを読むトレンドマイクロでは、正規のWindows向けソフトウェアである「AutoHotkey」や「Team Viewer」 を悪用した攻撃を新たに確認しましたので、本稿でご報告します。
2019年4月2日、無料オンラインスキャンサービスである「VirusTotal」に「Military Financing.xlsm」というファイル名のマクロ形式のエクセルファイルがアップロードされました。当該ファイルは内部に正規のスクリプトエンジンAutoHotkey、および、それに読み込ませるための不正なスクリプトファイルをバイナリ形式でデータを内包し、マクロを実行するとそれらをドロップして実行します。攻撃者は検出回避を目的としてAutoHotkeyを利用していたと考えられます。当該スクリプトファイルの実行によりC&Cサーバと通信が実施され、さらなるスクリプトファイルのダウンロード・実行や、Team Viewerを用いた遠隔操作が確認されました。
![図](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/Pic1.jpg)
図:「Military Financing.xlsm」を発端とする攻撃の概要図
昨年2018年を通じ拡大した宅配業者の偽装SMSを発端としたAndroid不正アプリ拡散を狙う攻撃は、現在も続いています。またAndroid端末だけでなく、iPhoneなどiOS端末でアクセスした場合にもフィッシングサイトへ誘導する動きも確認されており、スマートフォンを中心としたモバイル機器全体を狙う攻撃となっていることはこれまでも報告してまいりました。この国内のモバイル機器全体を狙う継続した攻撃の中で、新たな動きが2つ確認されました。1つは誘導先の不正サイトが詐称する企業の変化です。これまでの宅配業者から新たに、携帯電話事業者Webページの偽装が確認されました。もう1つは、誘導先の不正サイト上でiOS端末の固有情報を窃取するために不正な構成プロファイルを使用する手口です。
続きを読むトレンドマイクロでは2018年の1年間における国内外での脅威動向について分析を行いました。2018年を通じ、全世界的に「フィッシング詐欺」の攻撃が過去最大規模の急増を見せました。これはシステムの利用者である「人の弱点」を狙い、人の誤解や思い込みを利用した「騙しの手口」を積極的に使用してきているサイバー犯罪者の傾向を端的に示す例と言えます。
![図](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/Pic_1.jpg)
図:フィッシングサイトに誘導された国内利用者数の推移
1月11日の記事でもお伝えしている通り、2019年に入ってから日本向けにランサムウェアをばらまくマルウェアスパムの攻撃が発生、継続しています。当初は件名と本文は「:-)」などの「顔文字」のみとなっていましたが、件名はほどなく「I Love You」、「My love letter for you」などの英文に変化しました。そのため一般には「Love Youランサムスパム」などとも呼ばれているようです。その後1月末ごろからは「Kyary Pamyu Pamyu ;)」、「Sheena Ringo ;)」などのように日本の女性芸能人の名前を入れた件名も確認されており、日本を攻撃対象に定めて様々な手口を試しているように思えます。ただしいずれの件名にせよ、添付ファイルを開くと最終的にランサムウェア、不正コインマイナー、そしてスパムメール送信に使用されるスパムボットに複合感染する危険なものとなっています。トレンドマイクロではこの危険なマルウェアスパムの調査を進め、その送信を司っているスパムボット「Phorpiex(フォルピエックス)」の存在を確認しました。そして更なる調査の結果「Phorpiex」は、一般的にスパムメール送信を主な活動とするスパムボットの枠を外れ、それ自体が遠隔からランサムウェアなどのマルウェアを感染させる凶悪な攻撃などを行う危険なものであることがわかりました。
続きを読む1月30日の本ブログ記事でも取り上げた「偽警告」ですが、その後も継続が確認されています。このように何度も繰り返されている常套手段的な攻撃は、継続の過程で様々な変化を伴うことがあります。その変化の一つとして、今回は正規セキュリティソフトを偽装する手法、特に弊社トレンドマイクロ製品の検出を偽装するものも確認されました。トレンドマイクロ製品では利用者の操作無くWeb上で自動的にウイルス検索を行うような機能はありませんのでご注意ください。
![トレンドマイクロ製品を詐称する偽警告の表示例](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/fig1_fake-alert-posing-as-trendmicro-product.png)
図:トレンドマイクロ製品を詐称する偽警告の表示例
トレンドマイクロでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威の動向から、①フィッシング詐欺、②SMSを発端とする不正アプリ拡散、③「セクストーション」スパム が2018年に発生した個人利用者を狙う「三大脅威」であったと分析しています。本ブログでは、この2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えしています。1月17日の記事では個人利用者を狙う脅威として「フィッシング詐欺」を取り上げました。最終回の今回は、個人利用者に対する脅威の中から「SMSを発端とする不正アプリ拡散」と「セクストーションスパム」に焦点を当てて分析します。
![2018年国内の個人における三大脅威](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/fig1_three-major-threat-targeting-users.png)
図:2018年国内の個人における三大脅威
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Web閲覧時に「セキュリティシステムが破損しています」や「システムがウイルスに感染しています」などのメッセージが突然表示され、驚いたことがある方は多いのではないでしょうか。これらは「偽警告」、英語では「Fake Alert」や「Fake Warning」と呼ばれ、利用者の不安をあおって誘導するサイバー犯罪者の常套手段です。本ブログでも2017年11月の記事など、何度も注意を呼び掛けている攻撃手法となります。
![トレンドマイクロが1月に確認した偽警告の表示例](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/01/fig1_fake-aleart-sample-found-in-jan-2019.png)
図:トレンドマイクロが1月に確認した偽警告の表示例