トレンドマイクロは、標的型サイバー攻撃キャンペーン「IXESHE(アイスシ)」を2012年から監視しています。2009年に活動を開始したこのキャンペーンは、東アジア圏の政府機関や企業、ドイツの企業を主に標的にしてきました。しかし、今回その手口を変えて、再び米国のユーザを標的にしているようです。
続きを読むオンライン銀行詐欺ツール「DRIDEX」は、2016年5月にはわずか数日間の活動が確認された程度であったため、一見すると減少傾向にあると思われました。これは過去5ヶ月間の「DRIDEX」の活動から見ても不自然な現象でした。案の定、減少傾向と見られたのは「中断」に過ぎなかったようで、2016年5月25日、トレンドマイクロでは「DRIDEX」を拡散するスパムメールの急増を確認しました。このスパムメール送信活動では、主に米国、ブラジル、中国、ドイツ、日本のユーザが影響を受けました。ただし日本国内のネットバンキングを狙った「DRIDEX」はまだ確認できておらず、日本に関してはスパムメールの流れ弾的な流入であるものと言えます。
図1:DRIDEX を拡散するスパムメールの影響を受けた上位10カ国(2016年5月25日現在)
あるものが流行していると判断できる目安は何でしょうか。簡単な目安は、出来の良くない類似品まで市場に出回ったときです。どうやらランサムウェアは、粗悪品が出まわるほど流行してきたようです。
新しく確認された暗号化型ランサムウェアファミリ「ZCRYPT(ズィークリプト)」(「RANSOM_ZCRYPT.A」として検出)の作成者は、Windows XP を対象から除外したか、作成に際して不十分な作業をしたようです。この新しいファミリは Windows の最近のバージョンである Windows7およびそれ以降の Windows しか対象とぜず、後方互換性がありません。「ZCRYPT」は、意図的に古いオペレーティングシステム(OS)を対象から省いたのでしょうか、それともただ中途半端に作成された不正プログラムなのでしょうか。
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