Unix系OSのコンピュータをWindowsのドメインコントローラやファイルサーバなどとして利用するために導入されるオープンソースソフトウェア「Samba」の開発元は、同ソフトウェア4.13.17以前のバージョンで見つかった、ヒープ領域内において境界外読み取り/書き込みが可能となる脆弱性に対応する修正パッチをリリースしました。この脆弱性は、脆弱性リサーチャーグループ「STAR Labs」のNguyễn Hoàng Thạch氏およびBilly Jheng Bing-John氏によって、トレンドマイクロの脆弱性発見コミュニティ「Zero Day Initiative」(ZDI)が運営するハッキングの世界大会「Pwn2Own Austin 2021」において初めて存在が示され、開発元へ情報が提供されました。次いでZDIのLucas Leong氏がこの脆弱性の追加亜種を発見し、同様にSambaの開発元へ提供されました。今回の一連の脆弱性は、脆弱性リサーチャーグループ「DEVCORE」のOrange Tsai氏からもSambaの開発元へ報告されました。
今回の脆弱性が悪用されると、攻撃者は、Samba がインストールされたシステム上で任意のコードをリモートで実行することが可能となります。この脆弱性を悪用する際、認証の必要はありません。脆弱性自体は、Samba サーバデーモン(smbd)において、ファイルを開く際のEA(Extended Attributes、拡張属性)メタデータの構文解析処理内に存在しているからです。攻撃者は、この脆弱性を悪用することで、root権限でコードを実行することができます。
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