宅配荷物の不在通知を偽装するSMSの攻撃は継続してその手口を変化させています。前回3月の記事では新たに携帯電話事業者Webページを偽装した手口をお伝えしましたが、この4月にはまた別の事業者のWebページを偽装する手口にシフトしてきました。この不正アプリ拡散をねらう偽装SMSの攻撃では、去年前半にも活発に詐称する業者を変えていましたが今後も同様の変化に注意が必要です。
続きを読むトレンドマイクロは、少なくとも4つの韓国のWebサイトを侵害し、偽のログインフォームを通して認証情報を窃取するフィッシング攻撃を確認しました。侵害されたWebサイトには同国で訪問数上位に入る事業ページが含まれていました。また、偽のログインフォームは韓国で広く利用されている検索サイトに偽装していました。ユーザが入力した認証情報は攻撃者のサーバに送信されますが、認証情報の正誤をチェックする機能が無いことから、この攻撃はまだ調査および情報収集の段階にあると考えられます。
侵害したWebサイトに不正なJavaScriptのコードを注入する「水飲み場型攻撃」は、以前にも脆弱性攻撃コードや銀行情報を窃取するスキミングコードを読み込ませる手法として利用されてきました。しかし、今回のように水飲み場型攻撃がフィッシングに利用された事例は珍しいものだと言えます。
■攻撃の流れ
「Soula」という名前が付けられたこの攻撃の流れは図1の通りです。侵害されたWebサイトに注入された不正なコードが、ユーザのPCまたはモバイル端末にフィッシングスクリプト(「Trojan.HTML.PHISH.TIAOOHDW」として検出)を読み込み、偽のログインフォームを表示します。
![フィッシング攻撃の流れ](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/04/fig1_attack-chain.png)
図1:フィッシング攻撃の流れ
昨年2018年を通じ拡大した宅配業者の偽装SMSを発端としたAndroid不正アプリ拡散を狙う攻撃は、現在も続いています。またAndroid端末だけでなく、iPhoneなどiOS端末でアクセスした場合にもフィッシングサイトへ誘導する動きも確認されており、スマートフォンを中心としたモバイル機器全体を狙う攻撃となっていることはこれまでも報告してまいりました。この国内のモバイル機器全体を狙う継続した攻撃の中で、新たな動きが2つ確認されました。1つは誘導先の不正サイトが詐称する企業の変化です。これまでの宅配業者から新たに、携帯電話事業者Webページの偽装が確認されました。もう1つは、誘導先の不正サイト上でiOS端末の固有情報を窃取するために不正な構成プロファイルを使用する手口です。
続きを読むソーシャルメディアで多くのフォロワーを持つ「インフルエンサー」は、その信頼性や影響力をブランディングや事業に役立てています。しかしそのような人気アカウントはサイバー脅迫の格好の標的ともなっています。写真共有サービス「Instagram」で15,000人のフォロワーを持つ写真家のアカウントが乗っ取りに遭い、サイバー脅迫による戦利品がハッカー集団内でシェアされていました。
この事例を詳細に調査した結果、ハッカーはフィッシングによってアカウントに侵入したことが判明しました。それなりに単純な攻撃のように見えるものの、Instagramの人気アカウントを狙う手口はトルコ語を使用するあるハッカー集団の定番のやり口になっています。この集団は、アカウント復旧手順を悪用し、本来の所有者が復旧手順に従ったとしても乗っ取ったアカウントを保持し続けます。トレンドマイクロが確認した事例では、フォロワー数が15,000から70,000に及ぶ、有名な俳優/歌手、写真撮影機材をレンタルするスタートアップ企業のオーナーなどのアカウントがハッキングを受け、元の所有者の手に戻らないままとなっています。
続きを読むトレンドマイクロは、通常のアプリに偽装してユーザの情報を窃取するAndroid端末向け不正アプリ「MobSTSPY」(「ANDROIDOS_MOBSTSPY」ファミリとして検出)をGoogle Playで確認しました。MobSTSPYは、端末の情報を窃取するだけでなく、FacebookやGoogleのログイン画面に偽装したフィッシングページをを利用してユーザの認証情報を窃取します。
MobSTSPYファミリとして確認された6つの不正アプリ、「Flappy Birr Dog」「FlashLight」、「HZPermis Pro Arabe」、「Win7imulator」、「Win7Launcher」、「Flappy Bird」のうち、5つは2018年2月以降Google Playで停止されており、本記事執筆時点(2019年1月3日)ではすべてが削除されています。「Win7imulator」は世界中のユーザによってすでに10万回以上ダウンロードされていました。
![ゲームアプリに偽装した不正アプリ「Flappy Birr Dog」](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/fig1_flappy-birr-dog-download-page.png)
図1:ゲームアプリに偽装した不正アプリ「Flappy Birr Dog」
トレンドマイクロは、カメラアプリに偽装した複数のAndroid端末向け不正アプリ(「AndroidOS_BadCamera.HRX」として検出))をGoogle Playで確認しました。これらの不正アプリは、遠隔サーバから設定をダウンロードしてポップアップ広告を表示し、クリックしたユーザをフィッシングサイトやポルノアプリに誘導します。他にも、ユーザがアップロードした画像を窃取する、画像加工アプリに偽装した不正アプリも確認されています。これらの中にはすでに百万回以上ダウンロードされている不正アプリもありました。カメラアプリや画像加工アプリの人気を考えると、このようなダウンロード数は驚くべきことではありません。ダウンロードの大半はインドを中心としたアジアからのものでした。
本記事執筆時点(2019年1月30日)でGoogle はすでにこれらの不正アプリをGoogle Playから削除しています。
![Google Playで確認された不正なカメラアプリ](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/fig1_malicious-beauty-camera-apps.png)
図 1:Google Playで確認された不正なカメラアプリ
トレンドマイクロでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威の動向から、①フィッシング詐欺、②SMSを発端とする不正アプリ拡散、③「セクストーション」スパム が2018年に発生した個人利用者を狙う「三大脅威」であったと分析しています。本ブログでは、この2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えしています。1月17日の記事では個人利用者を狙う脅威として「フィッシング詐欺」を取り上げました。最終回の今回は、個人利用者に対する脅威の中から「SMSを発端とする不正アプリ拡散」と「セクストーションスパム」に焦点を当てて分析します。
![2018年国内の個人における三大脅威](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/fig1_three-major-threat-targeting-users.png)
図:2018年国内の個人における三大脅威
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トレンドマイクロでは、2018年1月~11月に発生したサイバー脅威の動向から、①フィッシング詐欺、②SMSを発端とする不正アプリ拡散、③「セクストーション」スパム を2018年に発生した個人利用者に対する「三大脅威」であると分析しています。そしてこのような脅威動向の全体を通じて、金銭に繋がる情報を狙う攻撃、特にクレジットカード情報や認証情報を中心としたいわゆる個人情報を狙う攻撃が拡大する裏で、過去に漏えいした情報はまた別の攻撃に利用され新たな被害を招く、言わば「被害の再生産」の構図が明らかになってきたと言えます。
本ブログでは、この2018年の脅威動向に関する速報を連載形式でお伝えします。第2回の今回は個人利用者に対する脅威の中から「フィッシング詐欺」に焦点を当てて分析します。
![2018年国内の個人における三大脅威](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2019/01/fig1-three-threats-targeting-users-in-2018.png)
図:2018年国内の個人における三大脅威
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ワールドカップのようなイベントではセキュリティ上の問題が発生します。会場から観客、選手やチーム関係者まですべてを物理的に警備するだけでなく、サイバーセキュリティ対策も同様に重要です。
2018年6月14日から7月15日までロシアで開催された第21回目のFIFAワールドカップは、世界人口のほぼ半数が観戦するという、史上最も注目されたスポーツイベントの1つとなりました。数字だけを見てもその注目度がうかがえます。視聴率も驚異的でしたが、このイベントを主催したロシアは推定約120億米ドル(2018年11月20日時点で約1兆3,546億円)を費やし、FIFAや他の関係組織へは数十億米ドル(約数千億円)の収益をもたらしました。規模に関して言えば、この2018 FIFAワールドカップは他のイベントの中でも比類ないスポーツイベントとなりました。
もちろん、これだけ大規模なイベントとなるとセキュリティの問題が発生します。会場や観客、選手やチーム関係者まですべてを警備する物理的なセキュリティの問題がまず挙げられます。加えて、Facebookで約240万回のインタラクション、Twitterで約2,800万回のツイートを発生させた「第51回スーパーボウル (Super Bowl LI )」の例が示すように、インターネット上でも人気を博す大規模スポーツイベントにおいては、 オンラインのセキュリティ対策も非常に重要です。
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