2013年第 2四半期のセキュリティ動向:「サーバ」、「モバイル」、「人」の脆弱性

トレンドマイクロでは、2013年第 2四半期に日本および世界で確認した脅威の概要を、「2013年第 2四半期セキュリティラウンドアップ:『攻撃者の狙いは、「サーバ」、「モバイル」、「人」の脆弱性』」としてまとめました。

レポートでは今四半期の傾向として、攻撃者の狙いが「サーバ」、「モバイル」、「人」の脆弱性に向いていることを主要トピックとしています。

特に日本では「サーバ」と「人」の脆弱性を利用した攻撃が「正規Webサイト改ざん→脆弱性攻撃サイト→不正プログラム感染への脅威連鎖」と「不正アクセスによる情報窃取」という 2つの大きな脅威としてはっきりと表れています。これらの脅威による被害は前四半期と比べても急増しており、改ざんサイトから誘導される脆弱性攻撃サイトへの日本からのアクセス数は前四半期の 3.4倍、1月との比較でも最大で 6.5倍となっています。また改ざんサイトからユーザが受ける最終的な被害としては、オンライン銀行詐欺ツールなどさまざまなサイバー犯罪手口への連鎖があります。特にオンライン銀行における不正送金被害は半年で 2億 2千万円と、既に昨年 1年間の被害総額 4800万円の 4.6倍となっており、最悪規模の被害になっています。

モバイルでは、Android 向け不正アプリが引き続き急増してます。2012年までの 3年間で不正アプリの総数は約 35万件でしたが、今年 6月末時点ではその 2倍の 70万件を越えました。特に海外では新しい動きとして、以前から危惧されていた脆弱性を利用した攻撃が「脆弱性利用する多機能型不正アプリ」、「マスターキー脆弱性」という形で顕在化してきました。また、ソーシャルメディアやクラウドサービスを悪用した攻撃でも、人気サービス上での「アカウント乗っ取り」や「不正サイトへの誘導」を狙う攻撃が確認されており、特に海外ではサービス関連携や共通 IDへの攻撃も表面化しています。

キートピック

■サイバー攻撃:
 ・Web 改ざんの急増と「アカウントリスト攻撃」の台頭
 ・多様な業種を狙う持続的標的型攻撃を確認

■脆弱性とエクスプロイト:
 ・サーバ用ミドルウェアの脆弱性を起点とした脅威の連鎖

■サイバー犯罪:
 ・地域に特化したオンライン銀行詐欺ツールの台頭
 ・過去最悪の金銭被害、原因は「誤解」を誘う詐欺手口

■モバイルの脅威:
 ・脆弱性の脅威、「モバイル」にも到来
 ・ユーザを騙す「リパックアプリ」、「贋作アプリ」、「偽装マーケット」

■モソーシャル&クラウドの脅威:
 ・「乗っ取り」と「誘導」を狙った人気サービスの攻撃インフラ化
 ・「サービス間連携」や「共通 ID」を逆手にとる攻撃者

より深く最新の脅威動向を知るためには、以下のレポートをご一読ください。

  • セキュリティラウンドアップレポート:
      2013年第2四半期セキュリティラウンドアップ:『攻撃者の狙いは、「サーバ」、「モバイル」、「人」の脆弱性』
      http://www.trendmicro.co.jp/cloud-content/jp/pdfs/security-intelligence/threat-report/pdf-2013q2-20130828.pdf