トレンドマイクロは、Linuxなどで採用されるシェル「Bash」を使ったランサムウェア「DarkRadiation」を確認しました。このランサムウェアは攻撃にBashスクリプトを利用しているものの、そのスクリプト自体はまだ開発途中であると当社は推測しています。攻撃で使用されるコンポーネントの多くは、主に「Red Hat」および「CentOS」向けのLinuxディストリビューションを対象としていますが、一部のスクリプトには、「Debian」向けのLinuxディストリビューションも含まれていました。また、これらのワームやランサムウェアのスクリプトでは、コマンドアンドコントロール(C&C)の通信にメッセージングアプリケーション「Telegram」のAPIを使用していました。さらにまた、攻撃で使用されたコンポーネントほとんどは「Virus Total」での検出数が非常に少ないことも確認されました。実際、これらのランサムウェアの情報が記載されたハッキングツールのURLは、当初Twitter上で報告されていただけでした。
本記事では、今回扱うランサムウェアおよびランサムウェアの展開に使用された「Secure Shell(SSH)ワーム」、そしてこれらが格納されているディレクトリ「api_attack/」を解析した結果を説明します。
図1:ランサムウェア「DarkRadiation」感染時に表示される画面の例
続きを読む