2013年7月27日から 6日間、米国ラスベガスでセキュリティカンファレンス「Blackhat」が開催されました。同カンファレンスにおいて、「browser-based botnets(ブラウザ型ボットネット)」についてのリサーチが発表されましたが、これは、トレンドマイクロが 2011年11月末に公開した「HTML5」の悪用に関するリサーチペーパでも言及しています。このブラウザ型ボットネットでもっとも重要な点は、ただのオンライン広告が「分散型サービス拒否(DDoS)攻撃」といった厄介な脅威に誘導してしまうことです。
続きを読むトレンドマイクロは、この数カ月間、スパムボット「Stealrat」を積極的に監視しています。このスパムボットは、2010年ごろから確認されているようですが、2012年末頃からアダルト関連や偽医薬品関連のスパムメールを頻繁に送信することが確認されています。そして、スパムメール送信のため主に、改ざんされたWebサイトおよびそのシステムを利用しています。このスパムボットの運用状況を監視する過程で、弊社は、約19万5千もの改ざんされたドメインおよび IPアドレスを特定しました(期間:2013年4月~7月末)。これら改ざんサイトの共通点として、このスパムボットを操作するサイバー犯罪者は、脆弱性を抱える「コンテンツ管理システム(CMS)」を使用する Webサイトを悪用しており、確認した CMS として、「WordPress」や「Joomla」、「Drupal」が挙げられます。
続きを読む2013年5月下旬、ハッカー集団「Anonymous(アノニマス)」が「#OpPetrol」という作戦において特定の国に対して同年6月20日に攻撃を仕掛ける旨を発表。その後、約1,000 の Webサイト、3万5,000の Eメール情報、そして、10万以上もの Facebook のアカウント情報がハッキングの被害に遭ったと一部報道がなされています。しかし、予告された 6月20日に向けて、攻撃者の関与や攻撃全体の巧妙さは限定的なようです。このような Webサイトの改ざんや情報漏えいは、先月本ブログ上で公開した「OpUSA」攻撃失敗から垣間見える攻撃者たちの戦術」と同様に、単なる「妨害行為」と大差ないと言えるでしょう。
続きを読むトレンドマイクロは、「Plesk」の旧バージョンに影響を及ぼすエクスプロイトコード(脆弱性攻撃コード)を監視しています。このエクスプロイトコードは、攻撃者が脆弱性の影響を受けた Webサーバを完全に制御することを可能にするものです。Plesk とは、米「Parallels」の人気ホスティング向けコントロールパネルです。今回の脆弱性の対象となる旧バージョンは、既にサポート期限が切れており、修正プログラムが存在しないゼロデイ攻撃の状態となっています。これはつまり、問題のエクスプロイトコードの影響を受ける Plesk の旧バージョンを利用する、すべての Webサイトが被害を受ける危険性があることを意味します。今回確認されたエクスプロイトコードの影響範囲に関しては、Parallels の情報をご参照ください。
続きを読む2013年6月4日のブログでお伝えした国内で発生している正規Webサイトの改ざん被害について、詳しい攻撃手法などの解析を行った上で得られた調査結果を続報としてお伝えします。国内の正規Webサイト改ざん被害ケースは、つい先週の 5月30日のブログ、また、3月18日のブログでもお伝えしていますが、これらのケースとの類似性はあるのでしょうか。
続きを読む人気のサイトを悪用することは、サイバー犯罪者の常とう手段になっていることは言うまでもありません。トレンドマイクロでは、2013年5月末以降、不正な JavaScript である「JS_BLACOLE.SMTT」の挿入による日本国内の Webサイト改ざん事例を複数確認しています。改ざんされたサイトを閲覧した PC では、端末の状態により、脆弱性を利用した攻撃の被害を実際に受ける可能性があります。トレンドマイクロによる確認の結果、少なくとも 6月3日時点で 40のドメインが改ざんの被害に遭っていることが判明しています。また、弊社のクラウド型セキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network」によると、これら改ざんされた 40のドメインに 6月3日時点だけでも、約 6万ものアクセスがあったことを確認しています。
続きを読む