2009年12月セキュリティアドバイザリ公開:IEの脆弱性にも対応

TrendLabs | Malware Blog

December Patch Tuesday Fixes Previously Reported IE Vulnerability」より
Dec 9, 2009 Jessa De La Torre

 マイクロソフトは、今月のセキュリティ情報で6件のセキュリティアドバイザリを公開し、12の脆弱性に対応しています。このうち3件は「緊急」(MS09-071、MS09-074、MS09-072)と見なされ、残りの3件は「重要」とされています。

 最近報告された、Internet Explorer(IE)のバージョン6および7に存在する脆弱性には、MS09-072で対策が取られています。この脆弱性の利用により、攻撃者がローカルのユーザと同じユーザ権限を取得する可能性があります。また、この脆弱性により、不正リモートユーザがシステム上で任意のコードを実行することも可能です。トレンドマイクロ製品では関連の脆弱性利用型不正プログラムを「HTML_SHELLCOD.WT」として検出します。

ベンダ発表(発表日:2009/12/09)
会社名 番号 セキュリティ情報 危険度
マイクロソフト
株式会社
MS09-071 インターネット認証サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される(974318) 緊急
MS09-072 Internet Explorer 用の累積的なセキュリティ更新プログラム(976325) 緊急
MS09-074 Microsoft Office Project の脆弱性により、リモートでコードが実行される(967183) 緊急
MS09-069 Local Security Authority Subsystem Service (LSASS) の脆弱性により、サービス拒否が起こる(974392) 重要
MS09-070 Active Directory フェデレーション サービスの脆弱性により、リモートでコードが実行される(971726) 重要
MS09-073 ワードパッドおよび Office テキスト コンバーターの脆弱性により、リモートでコードが実行される(975539) 重要

 アドビも2件のセキュリティアドバイザリを公開し、最近確認された「Flash Player」および「Illustrator」に存在する脆弱性に対応しています。Flash Playerの脆弱性が利用されると、不正リモートユーザが感染コンピュータを制御できるようになる可能性があることが報告されています。

ベンダ発表(発表日:2009/12/08)
会社名 番号 セキュリティ情報(英語情報)
アドビ社 APSB09-19 Security updates available for Adobe Flash Player
APSA09-06 Security Advisory for Adobe Illustrator CS4 and Adobe Illustrator CS3

 休暇シーズンが近づくにつれ、クリスマスなどの年中行事に関連した詐欺(偽の電子グリーティングカード、フィッシング攻撃など)および不正プログラムが急増するため、上記の脆弱性に対応するパッチをすぐに施し、システムを常に最新の状態にしておくことを強くお勧めします。

 翻訳: 橋元 紀美加(Technical Communications Specialist, TrendLabs)

執筆者:
Jessa De La Torre

Threat Response Engineer
Global Response
TrendLabs
Trend Micro Incorporated

 2007年にトレンドマイクロに入社。現在、トレンドラボにてスレット・レスポンズ・エンジニアとして不正コードの解析を担当。