同ウイルスではそれ以降の亜種と同様に、「Windows Server Service RPC」の脆弱性[MS08-067]を衝いた能動的な攻撃手法による侵入が大きな特徴として挙げられます。感染対象コンピュータのTCP 445ポートへ細工された不正なRPC(Remote Procedure Call)リクエストを送信することで、ペイロード(発病機能)を発症させ、シェルコード(悪意ある行為を行うコード)を動作させます。
図3 「WORM_DOWNAD.A」による「Windows Server Service RPC」の脆弱性を衝いた侵入
シェルコード起動以降はより効率的な拡散手法が採られています。感染コンピュータはHTTPサーバへと変換されます。これにより、二次感染者からはHTTPサーバ化が行われた感染コンピュータから取得された「WORM_DOWNAD.A」のコピー(「x」と名付けられたDLLファイル)の検出、または「x」ファイルダウンロードの際に作成されたキャッシュファイルを「Temporary Internet Files」フォルダから検出されるといった報告が数多く寄せられています。
Windows OSの機能である、Win32 API NetUserEnum機能を利用し、現在設定されているアカウントの一覧取得が試みられます。一覧取得は初期設定において特別な権限を必要としません。このため、侵入の第一段階は多くの環境で成立します。次に、ウイルスは取得したアカウント情報に対し、辞書攻撃を仕掛けます。ウイルスはパスワードリストを持ち、このリストに合致するような脆弱(類推容易)なパスワードが設定されたアカウントを探しだし、ローカルネットワークの共有パスワードを破ります。攻撃者の狙いは管理者共有である「ADMIN$」への侵入です。侵入が成功した場合、「ADMIN$\SYSTEM32」ディレクトリ内に自身のコピーを作成します。
攻撃者はコピーが成立した場合の自動起動についても十分に戦略を練っています。Win32 API NetScheduledJobAdd機能を呼び出し、コピーしたファイルを実行しています。NetScheduledJobAdd機能は、一般に「タスク スケジューラ」として知られている機能です。Windowsタスクフォルダ(通常 “<Windowsフォルダ>※\Tasks” )内にスケジュール化されたタスク(タスクオブジェクトファイル:「.JOB」ファイル)を作成します。これにより、ウイルスは決められた時間に実行されることが可能になります。
「WORM_DOWNAD」ファミリ拡散の最たる原因は、「MS08-067」の脆弱性を衝いた攻撃です。このため、脆弱性を塞ぐことが急務といえます。セキュリティ更新プログラムのリリースから日が経過しているため、多くの場合、適用は既に完了しているかもしれません。しかしながら、油断すべきではありません。管理の行き届いていないコンピュータに対する適用作業が終わっていない場合があります。トレンドマイクロでは、Trend Micro Control Managerにて、「脆弱性診断サービス」を提供しています。同サービスではネットワークに接続されているコンピュータを個別または一括でネットワークセキュリティの脆弱性やその危険因子の変移を診断することが可能です。また、Network VirusWallとの連携を行うことで、管理者が許可しない脆弱性のリスクを持つコンピュータへのブロック(検疫ネットワーク)を実現することができます。
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火曜日, 1月 20th, 2009
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