トレンドマイクロの最新調査から、増大するデジタル環境で攻撃を受けやすい領域(以下、アタックサーフェス(攻撃対象領域))に対してサイバーセキュリティのリスク管理に苦慮する企業の実態が明らかになりました。
続きを読むナイジェリアの経済金融犯罪委員会(EFCC、Economic and Financial Crimes Commission)は、インターポールのサイバー犯罪対策活動「Operation Killer Bee」の一環としてのおとり捜査により、日本を含む世界的な詐欺キャンペーンに関与していたナイジェリア出身の容疑者3名を逮捕しました。この捜査活動は、攻撃グループと彼らの手口に関する情報を提供したトレンドマイクロの協力のもと、インターポールと各国支局、東南アジア各国の法執行機関によって主導されました。

画像提供:インターポール
2021年に出現したランサムウェアファミリの中でも特に注目に値する「Hive」は、わずか4ヶ月間で300社以上の法人組織を侵害したと報告されており、同年下半期に波紋を広げました。これによりHiveの背後にいる攻撃者グループは、数百万米ドル(数億円)の利益を得た可能性があります。トレンドマイクロはその後、2022年3月にほとんど未知のランサムウェア「Nokoyawa」の攻撃手法が、Hiveと多くの共通点を持つことを発見しました。この2つのファミリは、使用するツールから様々な段階での実行順序に至るまで、攻撃チェーンにおける明らかな類似点を共有しています。現在Nokoyawaは南米の、主にアルゼンチンに拠点を置く組織を標的にしていると考えられます。
続きを読むこの記事では、個人またはハッキンググループによって行われたInstagramアカウントハッキングの攻撃キャンペーンを検証します。本記事で検証する攻撃キャンペーンの背後にいたサイバー犯罪者は、最大の効果を得るためにソーシャルメディアのインフルエンサーを狙っていました。これは過去の攻撃キャンペーンでも見られた手口です。インフルエンサーは何百万人ものフォロワーを抱えており大きな影響力を持っていることからサイバー犯罪者の標的になりやすいものと言えます。一方インフルエンサー個人にとっては、SNSを通じた企業案件やアフィリエイト、その他の方法で収入を得ていることが多いため、アカウントが侵害された際の損失は非常に大きくなります。そしてサイバー犯罪者が狙うのはインフルエンサーだけではありません。Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSは、プライベートやビジネスで多くの人が利用しています。Instagramだけでも、実に毎月10億人以上のユーザが利用しており、これは、現在の世界人口の約8分の1に相当します。そして、ハチが蜜を求めて花に集まるように、サイバー犯罪者もハッキングや恐喝の獲物を求めてこれらのサイトに集まってきます。近年では、こういった企てに関連するさまざまなグループや手口が確認されています。利用者にとって、InstagramなどSNSアカウントを狙うハッカーの手口を知ることは、自分のアカウントを守る方法を知ることに繋がります。セキュリティリサーチャーの観点からInstagramアカウントを狙ったハッキング事例を考察し、Instagramやその他のソーシャルメディアプラットフォームのユーザへ向けた推奨事項を紹介します。

図1:Instagramの認証情報を狙うフィッシングページの例
続きを読む新型コロナウイルス(COVID-19)の流行に伴い、オンラインサービスの利用が拡大しています。そのような傾向は以前から見られましたが、物理的な接触を避ける必要が生じたことによってこの傾向は加速したと言えます。公共サービスや「テレヘルス(遠隔医療)」に代表される医療サービスなど、多くのサービスがオンライン化されました。また、実店舗の閉鎖も相次ぎ、企業はオンライン取引の拡大に注力しています。
続きを読むトレンドマイクロのサイバーセキュリティ・イノベーション研究所スレット・インテリジェンス・センターでは、一般財団法人日本サイバー犯罪対策センター(JC3)及びその会員企業と協力し、フィッシング詐欺グループの分析を行っております。この度、これまでの調査結果について弊社およびJC3から発表することに合わせ、本ブログ記事では調査を通じて分類された国内金融機関を騙るフィッシングサイトの二大勢力についてその特徴を報告いたします。

※ 本調査で確認したフィッシングサイト834ドメインを2021年4月の段階で整理 ダイナミックDNSサービスを悪用したフィッシングサイトはサービス種類毎に1ドメインとしてカウント
2021年に入り今もなお、コロナ禍の影響により個人や企業の日常業務に大きな支障が生じています。多くの組織において、業務継続のためにテレワークが不可欠なものとなると同時に、「クラウドコンピューティング」の重要度も増しています 。実際、クラウドコンピューティングへの依存度は昨年から急上昇しており 、今後も続くに違いありません。クラウドコンピューティングがデジタルトランスフォーメーション(DX)の中心となる中、攻撃者もこの状況に注目しクラウドインフラストラクチャを悪用しています。特にクラウド技術を利用する攻撃経路の中でも、クラウドのメールサービスは最もシンプルかつ最もわかりやすい存在であることから、逆に最も悪用されやすい存在ともなっています。フィッシングメール、不正スパムメール、ソーシャルエンジニアリング攻撃など、サイバー犯罪の歴史と共に洗練されてきた攻撃手法がクラウドメール経由でも猛威を振るっています。
