2015年6月の日本年金機構での情報流出事件以降、多くの組織で標的型メールを発端とした「気づけない攻撃」=標的型サイバー攻撃の被害が明らかになりました。しかし、これらの攻撃はこの 6月に突然発生したものではなく、これまでも継続的に確認されてきたものです。トレンドマイクロはこれまでも国内標的型サイバー攻撃の分析レポートで標的型サイバー攻撃の実態を明らかにしてまいりました。本連載「2015年上半期・国内標的型サイバー攻撃の分析」では、2015年上半期(1~6月)に、トレンドマイクロが行った検体解析、ネットワーク監視、インシデント対応などの事例から判明した事実を元に、標的型サイバー攻撃の傾向を紐解き、行うべき対策の考え方を説明します。前回は標的型メールの添付ファイルの傾向、また、最終的に侵入する遠隔操作ツール(RAT)とその通信の傾向を分析しました。第3回の今回は、遠隔操作ツール(RAT)「EMDIVI」に対する、トレンドマイクロの脅威解析機関である TrendLabs による詳細分析をまとめます。
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