トレンドマイクロの最新調査から、増大するデジタル環境で攻撃を受けやすい領域(以下、アタックサーフェス(攻撃対象領域))に対してサイバーセキュリティのリスク管理に苦慮する企業の実態が明らかになりました。
続きを読む現在、国内で最も大きな脅威となっているマルウェアとして「EMOTET」が挙げられます。本ブログでもこれまで、EMOTETに関する様々な注意喚起と解析記事を取り上げてまいりました。EMOTETの主な拡散経路はマルウェアスパム、つまりメール経由です。EMOTETの攻撃メールのほとんどで、不正マクロを含むOffice文書ファイルを添付ファイルなどの形式で開かせる手口が使われてきました。これに加えこの4月末からは、Windowsのショートカットリンク(.lnk)ファイルを悪用する新たな手口も確認しています。本記事ではこのEMOTETの、不正マクロを含むOffice文書ファイル、ショートカットリンクファイルの双方の手口に対して弊社トレンドマイクロの検出技術がどのように有効であるのかを検証いたしました。検証にあたっては、当社のサポートケースでご提供いただいた検体やインターネット上から入手可能なサンプルを使用しました。またトレンドマイクロの検出技術としては、クロスレイヤの検知と対応(XDR)機能を搭載する脅威防御のプラットフォーム「Trend Micro Vision One™」を用いました。検証のシナリオとしては、添付ファイルに対し従来型検出技術(パターンマッチング)が未対応のタイミングでEMOTETのマルウェアスパムが着信し、利用者が添付ファイルを開いてしまった場合を想定します。
続きを読む先日トレンドマイクロは、クロスレイヤの検知と対応(XDR)機能を搭載する脅威防御のプラットフォーム「Trend Micro Vision One™」を用いて、ランサムウェア「BlackCat」の背後にいる攻撃者グループに関連する事例を調査しました。ランサムウェア「BlackCat(別称:AlphaVM / AlphaV)」は、プログラミング言語「Rust」で作成されているほか、ランサムウェアをサービス化して提供するビジネスモデル「Ransomware as a Service(RaaS)」のもとで運用されているランサムウェアファミリの一つです。トレンドマイクロのデータによれば、BlackCatランサムウェアは主にサードパーティ製のフレームワークやツール群(Cobalt Strikeなど)を介して配信されているほか、侵入口として脆弱な公開アプリ(Microsoft Exchange Serverなど)を悪用することがわかっています。
続きを読む情報やデータへのアクセスおよびワークフローの継続性を求めて、ユーザや組織がInternet of Things(IoT)をますます頼りにする中、IoTへの脅威も進化し続けています。サイバー犯罪者は世の中におけるIoTへの依存性に注目しており、現代では家庭とビジネスの両方において、ユーザがこれらのデバイスでファイルの保存やバックアップを行っていることから、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)デバイスを攻撃の対象に含めています。さらに重要なことは、これらのツールには貴重な情報が含まれているが、最小限のセキュリティ対策しか講じられていないことをサイバー犯罪者が認識しているという点です。
続きを読むPolKit(旧称「Policy Kit」)は、Unix系OS内でシステム全体のポリシーと権限を処理するコンポーネントであり、非特権プロセスと特権プロセス間の通信を行えるようにするものです。PolKitのコマンドラインツール「pkexec」は、主要なLinuxディストリビューション内にデフォルトで同梱されており、通常は特権昇格させてコマンドを実行する際に用いられます。また、このコンポーネントを使用することで、許可されたユーザは別のユーザ(通常「root」)としてプログラムを実行することもできます。この機能は、Windowsのコマンドラインツール「RunAs」と類似しています。
続きを読む脆弱性対応のためのパッチ適用作業は、情報システム部門やセキュリティチームにとっては悩ましい仕事です。これは、担当するチームにおいては日常業務のうちのごく一部にすぎないためです。しかしながら、年間のソフトウェア脆弱性発見は大きく増加しており、適切に対応するための負担が増えています。ランサムウェア攻撃をはじめ脆弱性を悪用する攻撃が増加していることも考えると、これまで以上に組織は脆弱性対応の方法を工夫して対応していく必要があります。本記事では、パッチ管理を取り巻く現状を確認した上で、組織が抱える問題およびベストプラクティスについて紹介します。
[参考(英語):TrendMicro – Cybercrime and exploits: Attacks on unpatched systems]

図1:1年間にCVE番号が割り当てられたソフトウェアの脆弱性の数の推移
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