今や、ポータブルミュージックプレイヤーの代名詞ともなっている「iPod」。その「iPod」上で活動するウイルスが、世界で初めて登場しました。 トレンドマイクロでは、「ELF_PODLOSO.A」として対応(OPR4.397.00より)しました。
と書くと非常に衝撃的ですが、実は普通に使われている「iPod」に感染するわけではありません。今回登場したのは iPodLinux 上でのウイルス活動を証明するためのProof-of-Concept(概念証明型)と呼ばれるウイルスプログラムです。
iPodにLinuxOSがインストール可能であることを知ってる人は、そんなに多くないでしょう。Intel MacにWindows をインストールしたマニアがいたように、iPodへLinuxをインストールする方法も発見されており、iPod上で動くLinuxはiPodLinux と呼ばれています。そのiPodLinux 上で活動するウイルスです。 iPodLinuxを使用しているユーザは非常に少ないものと考えられるため、一般的な危険性はほとんどありません。しかし、今後増えると見られている情報家電に対するウイルス被害の可能性を考えさせる事例と言えるかもしれません。
ちなみに「ELF_PODLOSO.A」の活動内容は以下の通りです:
- iPodLinux の /Extras/Demos ディレクトリに自身を登録
- /usr/lib/ ディレクトリ内のLINUXの実行ファイル(ELF形式)に感染
- “oslo” という文字列を感染ファイルの最後尾に追加
- iPodLinux のシャットダウン時に感染を示す画像や文字列を表示(下は表示例)
You are infected with Oslo, the first
iPodLinux Virus by [author].