各国でサイバー犯罪に対する取り組みが行われていますが、現在アメリカではFBI(米国連邦捜査局)と司法省を中心にボットネット対策プロジェクトが進行中です。このプロジェクトは「OPERATION: BOT ROAST」と名づけられており、この13日には中間発表がありました。報告によれば、100万台以上の感染コンピュータを特定し、3人のハーダー(ボットネットワークをコントロールする悪意のハッカー)を逮捕したとのことです。逮捕された3人はボットネットワークを主にネットワーク攻撃やスパム送信を行っていました。
日本では総務省と経済産業省が中心となり、2006年12月からボットネット対策プロジェクトが進められています。新種ボットの収集や解析、各ISPの協力のもと、ボット感染IPアドレスから使用者を割り出して駆除を促す注意喚起を行うなどの活動が行われており、約1カ月間に8000弱のユーザに対して注意喚起が行われた実績があります。
トレンドマイクロでも本プロジェクトに賛同し、ボット解析の技術協力や検体の分析、パターンファイルへの反映を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
ボットネットの脅威が叫ばれて久しいですが、感染PC自体に目に見える被害が少ないためにその脅威がわかりづらいとも言われています。実際の被害が個人のレベルを越えて大規模なスパムやネットワーク攻撃にシフトしている現在、ボットネット対策も個人のレベルを越えて国レベルのプロジェクトが必要となるのも当然かもしれません。