「Webブラウザのプッシュ通知」機能は、ユーザから許可された特定のWebサイトが、購読者のブラウザに通知を送信できるようにする機能です。例として、Chromeは2015年にブラウザ通知機能を導入しました。この機能により、ユーザから許可を受けたWebサイトは、新たなコンテンツや記事の公開を購読者に通知できるようになりました。
しかし、悪意ある広告事業者やサイバー犯罪者は、常に便利な正規機能の悪用を狙っています。彼らはクリック詐欺の特殊な事例としてブラウザ通知機能を悪用し始めました。トレンドマイクロでは、ブラウザ通知機能を悪用したスパムメッセージ行為が2021年2月下旬頃から世界的に増加していることを確認しました。さらに調査を進めると、ブラウザ通知機能を悪用する興味深い手口を発見しました。この手口により表示されるポップアップは、悪意のあるサイトではなく、正規セキュリティソフトウェアのWebサイトにユーザを誘導することが明らかとなりました。
![図1:ブラウザ通知スパム(BNS)サイトに誘導されたユーザのトラフィック(全世界)](https://blog.trendmicro.co.jp/wp-content/uploads/2021/08/図1:ブラウザ通知スパム(BNS)サイトに誘導されたユーザのトラフィック(全世界)-1024x745.png)