トレンドマイクロでは、正規のWindows向けソフトウェアである「AutoHotkey」や「Team Viewer」 を悪用した攻撃を新たに確認しましたので、本稿でご報告します。
2019年4月2日、無料オンラインスキャンサービスである「VirusTotal」に「Military Financing.xlsm」というファイル名のマクロ形式のエクセルファイルがアップロードされました。当該ファイルは内部に正規のスクリプトエンジンAutoHotkey、および、それに読み込ませるための不正なスクリプトファイルをバイナリ形式でデータを内包し、マクロを実行するとそれらをドロップして実行します。攻撃者は検出回避を目的としてAutoHotkeyを利用していたと考えられます。当該スクリプトファイルの実行によりC&Cサーバと通信が実施され、さらなるスクリプトファイルのダウンロード・実行や、Team Viewerを用いた遠隔操作が確認されました。
図:「Military Financing.xlsm」を発端とする攻撃の概要図