2015年に発生した年金受給者に関する個人情報漏えい事故や、2016年に入って発生した旅行予約者に関する個人情報漏えい事故は、知名度の高い組織が標的型サイバー攻撃に遭ったことと、漏えいした可能性のある個人情報の量と種類も要因となり大きく報道を賑わせました。トレンドマイクロでは、日本国内の民間企業や官公庁自治体におけるセキュリティインシデントや対策の実態を把握する目的で、「法人組織におけるセキュリティ対策実態調査 2016年版」調査を実施しました。
調査の結果、国内の法人組織の実に 38.5%が「個人情報の漏えい」や「生産・操業停止」など、ビジネスに影響を及ぼす「深刻なセキュリティインシデント」を 2015年一年間に経験したと回答しました。「社員情報の漏えい(23.3%)」や「顧客情報の漏えい(19.4%)」に代表されるように、保有する個人情報が多くの法人組織で漏えいしていることが分かります(図1)。また近年急速な勢いで深刻な問題になっているランサムウェアによるものと考えられるデータ破壊など、実に様々な深刻な被害が発生していることが明らかになりました。
図1:深刻なセキュリティインシデント被害内訳