サイバー犯罪者はしばしば、ソーシャルメディアや電子メール、SMSを利用してターゲットとなるユーザにメッセージやメールを送信し、不正サイトへ誘導する手口を利用します。 特に海外では「Romance Scam(ロマンス詐欺)」とも呼ばれる「出会い系詐欺」においては、インターネット上の出会い系サイトが誘導先となります。この5月、トレンドマイクロのリサーチャは、出会い系詐欺に関連するいくつかのキャンペーンを確認しました。これらのキャンペーンでは、類似した構成、レイアウトの不審なサイトが多数用意されており、日本から多くのユーザがアクセスしていることが確認されました。
メールや Webサイトの表示などで利用者をだます「ネット詐欺」は、インターネット利用者であればだれもが遭遇する可能性があるサイバー犯罪です。国内外の捜査機関では、マルウェアのみで攻撃が完結するような「Pure Cyber Crime(サイバー犯罪)」に対し、「Cyber Enabled Crime(サイバー利用犯罪、インターネット利用犯罪)」という分類があります。これは、既存の犯罪手口がインターネットを利用することでより巧妙な犯罪になることを表す用語です。特に金銭的利益を目的とした「ネット詐欺」は、この「インターネット利用犯罪」の代表的な存在と言えます。従来から存在した詐欺の手口がインターネットと結びつくことで、容易に国境をまたぎ手広くかつ匿名性を持った形で行われ、安心安全なインターネットの利用を阻害する大きな脅威となっています。トレンドマイクロではそのような「ネット詐欺」に対し、クラウド型セキュリティ技術基盤「Smart Protection Network(SPN)」を通じて監視と防御を続けています。本稿では、インターネット利用犯罪である「ネット詐欺」の一例としていわゆる「出会い系詐欺」を取り上げ、SPNを通じてエキスパートが蓄積している脅威についての知見「スレットインテリジェンス」によって、どのように見えているのかをご紹介します。
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