iOSの 「App Store」とAndroidの「Google Play」、この二つの正規プラットフォーム上にアドウェアやマルウェアの混入した偽アプリが潜り込んでいることはさほど珍しくなくなっているようです。今回、トレンドマイクロは、正規アプリストアであるApp StoreおよびGoogle Play上で、アプリ概要欄の説明と内容が違うコンテンツを含む数百の偽アプリを確認しました。偽アプリは、表面上は一般的な正規アプリのように見えますが、ギャンブルアプリの側面を隠し持っていました。また、日本のアプリストア上でもダウンロード可能で、一部のアプリ概要欄では日本語が使用されているものもありました。
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脅威を積極的に探索する「スレットハンティング」、そして専門家が蓄積する脅威についての知見である「スレットインテリジェンス」の共有は、サイバーセキュリティ業界での一般的な慣行であり、多くの専門家のみならず、実際の対策のためにも役立っています。スレットインテリジェンスの中でも、マルウェア検体間の類似性調査は、あるマルウェアに関連する亜種の把握に使用されます。特に標的型攻撃の調査においては、使用されるマルウェアの類似性から複数の攻撃事例の関連性や、その攻撃の背後にいる攻撃者や攻撃目的などを導き出すための重要な情報となりえます。トレンドマイクロではマルウェアの類似性を特定する調査方法の1つとして「Graph Hash」の活用を進めています。今回、その有用性を実証するために、日本でも攻撃が確認された標的型攻撃キャンペーン「Orca」の調査にGraph Hashを適用しました。
※本記事で解説する「Graph Hash」を利用した調査の手法は、2019年8月29日にシンガポールで開催された「Hack in the Box GSEC Conference 2019」における講演「What Species of Fish Is This? Malware Classification with Graph Hash」で解説されたものです。
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