サイバー犯罪者は、マルウェアやエクスプロイトキットなどアンダーグラウンドで日常的に取引される商品に加えて、すべてのサイバー犯罪活動を支える安定したホスティングインフラを維持することにも注力しています。これらのインフラは、サイバー犯罪者が用いるインフラの匿名性を高めて稼働させる防弾ホスティング、感染PC端末で構築されたレンタル用ボットネット、あるいはそれらを操作・制御するために必要な不正コンテンツやコンポーネントをホストするために利用される場合があります。
サイバー犯罪者間で行われる取引方法は、多くの点において正規企業が用いるそれと似ています。闇市場での取引経験の有無に関係なくサイバー犯罪者は、さまざまなプラットフォーム上で商品を取引しています。商品を取引する場所としてソーシャルメディアを利用する者もいれば、他のサイバー犯罪者の管理下にあるWebサイトでのみ取引を行う者、あるいは精査されたアンダーグラウンドフォーラムでのみ取引する者もいます。
トレンドマイクロは2020年10月6日公開のブログ記事で、サイバー犯罪者が不正活動に用いるサービスやインフラ、ツールを取引するアンダーグラウンドマーケットの概要について報告しました。取引される商品はさまざまであり、商品の売り手側は、買い手側のあらゆる要望に応えています。本ブログ記事では、サイバー犯罪経済動学、つまりアンダーグラウンドで提供されるサービスや特定のサイバー犯罪者が欲するアプリケーションに配慮して構築されるインフラについて詳説します。