「ボット」と聞くと、我々ウイルス解析担当者はコンピュータを外部から遠隔操作する不正プログラム「ボットウイルス」を思い浮かべます。
日本国内においては、「サイバークリーンセンター」(* 注釈1)等の取り組みにより「ボットウイルス」の存在は広く一般へ浸透してきています。
「ボット」という名称は、まるで「ロボット(ROBOT)」のように外部からのコントロールによって動作するというのがその語源です。
不正プログラムの一分類として定着した感のある用語ですが、デジタル情報の世界においては元来、単純作業を繰り返し実施するアプリケーションのことを指す用語として使われてきました。
インターネットが世に普及する前、1994年にリリースされたゲーム内にて人の代わりとなって対戦するコンピュータプレイヤーに対して「ボット」という用語を既に使用しています。
このように「ボットウイルス」以外にも使用が見られる用語ですが、今回、「暗躍するボット」として紹介するのは「チケットボット」(自動チケット購入ソフト)です。
「チケットボット」とは一体何なのでしょうか。チケット販売の背景とともにその問題点を分析してみたいと思います。 (さらに…)