2022年2回目のセキュリティアップデートでは、Adobe社およびMicrosoft社から最新の更新プログラムがリリースされました。各社からの最新情報は以下のとおりとなります。
続きを読むトレンドマイクロは、ランサムウェア「LockBit」が侵入時に用いるツール群を追跡調査する中で、2021月10月のアンダーグラウンドフォーラム「RAMP」内でアフィリエイト(攻撃を行う実行犯)候補者に向けた「LockBit Linux-ESXi Locker version 1.0(ESXiサーバを標的とするLinux版LockBit 1.0)」の告知を発見しました。これは、「LockBit」ランサムウェアの背後にいるサイバー犯罪者グループ(LockBitグループ)が、攻撃対象をLinuxホストにまで拡大したことを示しています。トレンドマイクロは10月以降、Linux版LockBit 1.0による実際の攻撃活動を観測しています。
続きを読む■ 新たな脆弱性への迅速な対応が求められるセキュリティチーム
昨今のサイバー攻撃では、ソフトウェアの脆弱性を悪用する手口が増加しています。代表的なものとして、トレンドマイクロでは新型コロナウイルスによるテレワークの普及に伴って需要が高まったVPNの脆弱性を悪用する通信がここ数年で増加していることを確認しています。これらは、例えばランサムウェア攻撃において攻撃者が標的のネットワーク内部に侵入するために積極的に悪用されています。また、日本国内において企業から公表された情報漏えい事例をトレンドマイクロが整理・集計したデータにおいても、インシデントが発生した原因のうちおよそ4割が脆弱性を占めています。組織におけるセキュリティインシデントを防ぐために、自組織をとりまくIT環境が抱える脆弱性を適切に対処することが求められています。
図 1:企業から公表されたWeb/クラウドからの情報漏えい事例 89 件における事故原因割合
(2021 年上半期, 公表内容を元にトレンドマイクロが独自に集計)
2021年2月、トレンドマイクロはランサムウェアファミリ「Conti」による攻撃に関連した一連の疑わしいイベントに対して警戒を強めていたところ、弊社製品であるTrend Micro Vision Oneによって攻撃の痕跡を確認しました。Contiは悪名高いランサムウェアファミリ「Ryuk」の後継とされていました。実際、攻撃者は次第に、過去にRyukの拡散に使用された手法と同じ手口で不正プログラムを配信するようになりました。たとえば、他のマルウェアファミリ「Trickbot」、「Emotet」、「BazarLoader」がContiの配信に使用されています。本稿では、商用のペネトレーションツール「Cobalt Strike beacon」がContiによってどのように使用されているか、またトレンドマイクロがTrend Micro Vision Oneプラットフォームを使用してContiによる脅威をどのように追跡したのかを解説していきます。
続きを読むUnix系OSのコンピュータをWindowsのドメインコントローラやファイルサーバなどとして利用するために導入されるオープンソースソフトウェア「Samba」の開発元は、同ソフトウェア4.13.17以前のバージョンで見つかった、ヒープ領域内において境界外読み取り/書き込みが可能となる脆弱性に対応する修正パッチをリリースしました。この脆弱性は、脆弱性リサーチャーグループ「STAR Labs」のNguyễn Hoàng Thạch氏およびBilly Jheng Bing-John氏によって、トレンドマイクロの脆弱性発見コミュニティ「Zero Day Initiative」(ZDI)が運営するハッキングの世界大会「Pwn2Own Austin 2021」において初めて存在が示され、開発元へ情報が提供されました。次いでZDIのLucas Leong氏がこの脆弱性の追加亜種を発見し、同様にSambaの開発元へ提供されました。今回の一連の脆弱性は、脆弱性リサーチャーグループ「DEVCORE」のOrange Tsai氏からもSambaの開発元へ報告されました。
今回の脆弱性が悪用されると、攻撃者は、Samba がインストールされたシステム上で任意のコードをリモートで実行することが可能となります。この脆弱性を悪用する際、認証の必要はありません。脆弱性自体は、Samba サーバデーモン(smbd)において、ファイルを開く際のEA(Extended Attributes、拡張属性)メタデータの構文解析処理内に存在しているからです。攻撃者は、この脆弱性を悪用することで、root権限でコードを実行することができます。
続きを読む- 【追記情報:2021年2月3日(木)】「「Samba」とは?」「過去に確認されたSambaでの脆弱性リスク」の項目を追加、「推奨される対策、暫定的な緩和策」に一部追記しました。
2022年1月31日、Unix系OSのコンピュータをWindowsのドメインコントローラやファイルサーバなどとして利用するために導入されるオープンソースソフトウェア「Samba」の更新版がリリースされ、新たな3つの脆弱性に対処しました。そのうち最も深刻な脆弱性であるCVE-2021-44142は、ヒープ領域内において境界外読み取り/書き込みが可能となる脆弱性です。これにより、遠隔から攻撃者が影響を受ける端末上でroot権限として任意のコードを実行できる可能性があります。
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