この記事では、組織のSOCが直面するさまざまな今日の脅威と、その対処に必要なセキュリティソリューションについて理解するために、ランサムウェア「RYUK」の攻撃への対処の実例を示します。組織を狙う攻撃は日に日に巧妙化していきます。これに対処しなければいけない組織のSOCは、従来の対応方法では解決できない課題を抱えています。
図:ランサムウェア「RYUK」が作成する脅迫状 (さらに…)
続きを読むトレンドマイクロでは最近、「Glupteba」の亜種(Trend Microでは「Trojan.Win32.GLUPTEBA.WLDR」として検出)を確認しました。Gluptebaは、過去にWindigo作戦に関与したバンキングトロジャンとして知られています。弊社ではまた、MikroTikルータへの攻撃や、自身のコマンド&コントロール(C&C)サーバへの更新に関して調査しました。今回確認されたバンキングトロジャンは、挙動に関して他の亜種との類似点を多く共有しています。前述の検体で特筆すべき点は、トレンドマイクロが最近解析したモジュール型アドウェアの一種「ManageX」(トレンドマイクロでは「Trojan.JS.MANAGEX.A」として検出)を使用していることです。本記事では、コード解析から判明したGluptebaのモジュール性とクロスプラットフォーム機能について解説します。
図1:攻撃の流れ (さらに…)
続きを読む本記事では、暗号資産採掘ツール(コインマイナー)によりLinux システムのリソース盗用を狙う様々なサイバー犯罪者たちによる、冷酷な「戦争」について説明します。Linuxのエコシステムは、他のオペレーティングシステムと比べて安全で信頼性が高いとされています。しかし残念ながら、Google、NASA、そして米国国防省など知名度の高い企業や組織でLinuxシステムの採用が広まるにつれ、攻撃対象としてLinuxを狙うサイバー犯罪者も多くなっています。 特に、システムのリソース盗用による暗号資産採掘(不正マイニング)による利益を狙うサイバー犯罪者にとって、Linuxは中心的な攻撃対象となってしまっているようです。本記事ではまた、オープンAPIを備えたアプリケーションとDocker環境に対応したエントリポイントの移り変わりを含む、不正マイニングの攻撃チェーンについても解説します。 (さらに…)
続きを読むマルウェア「IcedID(アイスドアイディー)」を拡散させる日本語マルウェアスパムが10月末から確認されています。トレンドマイクロが日本時間10月28日時点で確認したIcedIDを拡散させるマルウェアスパムは、件名が「Re:」と返信型になっており、パスワード付き圧縮ファイルが添付されているものでした。その後、11月に入っても、国内でパスワード付き圧縮ファイルを添付したマルウェアスパムの拡散を確認しています。トレンドマイクロ製品における日本国内でのIcedIDの検出台数は、拡散開始の10月27日から11月6日までの10日間で70件強ですが、サポートセンターでは既に数件の感染報告を受けています。JPCERT/CC分析センターのTwitterでも11月6日付で注意喚起が出されており、広範囲に拡散が見られているものと言えます。
セキュリティ製品によってはパスワード付き圧縮ファイルの解凍に対応していないため、検出が回避されて受信者の元にメールが届く可能性があります。パスワード付き圧縮ファイルが添付されているメールは、差出人が自身の関係者であったとしても、安易に開かないようにしてください。マルウェアスパムの特徴は昨年から被害が継続している「EMOTET」を想起させますが、異なるマルウェアであることに注意してください。
図:10月28日に確認されたIcedIDを拡散するマルウェアスパムの例
件名には「Re:」という文字列があり以前のメールへの返信のように
見えるが、以前のメールの内容は含まれていない (さらに…)
今回トレンドマイクロは、個人向けVPNサービス「Windscribe VPN」の正規インストーラを侵害しバックドア型マルウェアをバンドルする攻撃手口を確認しました。バックドアを用いることでサイバー犯罪者は、適切な認証なしに遠隔からコンピュータにアクセスして制御できるようになります。今回調査された正規インストーラは不正ソースからダウンロードされたものであり、Windscribeの公式ダウンロードセンター、あるいはGoogleやAppleなどのアプリストアで配布されたものでないことに注意が必要です。特にサイバー犯罪者は以前よりビデオ会議アプリなどの他のプラットフォーム上でユーザを誘導するために、正規インストーラに不正ファイルをバンドルする手法を悪用していました。
続きを読むトレンドマイクロでは、Xcodeの開発者向けプロジェクト関連で、異常な感染を確認しました。さらに調査を進めたところ、特定の開発者のXcodeプロジェクト全体にソースマルウェアが含まれており、不正ペイロードの取得につながることが判明しました。本記事では、Mac向けマルウェア「XCSSET」に関する調査結果を要約します。この攻撃の詳細については、こちらの技術的詳細から確認可能です。トレンドマイクロでは、最初に侵入するマルウェアを「TrojanSpy.MacOS.XCSSET.A」として、そしてコマンド&コントロール(C&C)に関連するファイルを「Backdoor.MacOS.XCSSET.A」として検出しました。
図1:ソースマルウェアを含むXcodeプロジェクトのサンプルとそのコンテンツの例 (さらに…)
続きを読む2020年7月、F5Networksが提供する「BIG-IP」製品の2つの脆弱性が初めて公開されました。トレンドマイクロでは、この脆弱性の深刻度について理解を深めるため、本脆弱性およびその他の関連アクティビティの調査を行いました。この調査に関してはF5Networks側からご連絡、ご協力をいただいたことに感謝します。そしてこの調査の中で、モノのインターネット(IoT)を対象とするボット「Mirai」のダウンローダ(Trend Microでは「Trojan.SH.MIRAI.BOI」として検出)を確認しました。このダウンローダは露出した、つまりインターネット側からアクセス可能なBIG-IP製品を探し、公開された脆弱性の1つ「CVE-2020-5902」を利用して侵入、不正ペイロードの拡散を行います。また同時に既存の様々な脆弱性を利用することもわかりました。関連機器を使用するシステム管理者および個人は、各ツールに対して迅速にパッチを適用することを推奨します。 (さらに…)
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