「ぜいたく品」とみなされていたスマートフォンは、今やユーザにとっての「必需品」となりました。しかし、モバイル端末技術の世界において、すべてが華やいでいるとは限りません。上昇するスマートフォン人気に伴い、バッテリー寿命の問題やバッテリー消費に大きく影響するモバイル端末用アドウェアの存在といった問題を含む特有の課題が浮上しています。
スマートフォンが優れた解像度やさらに高度な機能を搭載しているにもかかわらず、ユーザは、端末のバッテリー寿命のほうにより関心を示しているようです。各メーカーは、長時間駆動が可能なバッテリーを搭載したデバイスを提供する態勢にありますが、4G/LTEといった新たな通信規格の登場により、強化されたバッテリー分が相殺されてしまう可能性があります。
特定のアプリやアドウェアを使用すると、バッテリーを消費することも明らかになっています。特に、米国パデュー大学およびマイクロソフトの研究により、無料アプリの消費電力のうち65~75%は、端末上に表示されている広告が消費することも判明しています。
トレンドマイクロでは、2012年8月、Android OS を搭載した端末(以下、Android端末)向けアプリにおけるアドウェアの増加を確認しています。このようなアプリは、ユーザの個人情報を収集するといった不正活動を行う一方で、バッテリーの寿命を縮める危険性をもたらします。
トレンドマイクロでは、モバイル端末に関する「マンスリー・レビュー・レポート」を発表しています。モバイル端末に関する動向やモバイル端末用アドウェアの危険性の増加についての詳細は、第一弾である以下の資料をご一読ください。
・The Growing Problems of Mobile Adware
http://about-threats.trendmicro.com/us/mobilehub/mobilereview/
rpt_mothly_mobile_review_201209_the_growing_problem_of_mobile_adware.pdf
また Android端末を狙う脅威の被害を避けるために、すべてのスマートフォン利用者へ次の対策を講じることを強くお勧めします。
- セキュリティソフトやサービスを導入し、適切に運用すること
- Android端末の標準装備のセキュリティ機能を活用すること(「設定」-「現在地情報とセキュリティ」)
- 「Wi-Fi」の自動接続を無効にすること
- 公式の Androidマーケットや信用ある Androidマーケット以外を利用しないこと
- アプリをダウンロードする際、デベロッパーを確認し、ユーザのレビューにも一読すること
- ダウンロードするごとに、アクセス許可項目を確認し、許可する前に、そのアプリの機能上必要がどうか、十分に確認すること
モバイル端末における脅威や、その脅威から身を守る対策については、こちらをご参照下さい。
http://about-threats.trendmicro.com/us/mobile
・無防備では危ない! スマートフォンを安全に利用するためには
http://is702.jp/special/1090/partner/12_t/
・最新版 スマートフォンのセキュリティ対策
http://is702.jp/special/991/partner/12_t/
参考記事:
by Gelo Abendan (Technical Communications)
翻訳:宮越 ちひろ(Core Technology Marketing, TrendLabs)