アンダーグラウンド市場で今人気の個人情報は、Netflix および Uber

トレンドマイクロの調査によると、動画配信サービス「Netflix」とスマートフォン上のアプリを使った自動車配車サービス「Uber」の個人情報は、現在、「Deep Web(ディープWeb)」やアンダーグラウンド市場において人気の情報であり、収集されたクレジットカード情報よりも人気が高い場合があるようです。クレジットカード情報やその関連情報については、1米ドル(約114円。2016年3月14日現在)で、興味があれば誰でも入手することができます。一方、Netflix と Uber関連の個人情報については、Netflix のアカウント情報は5米ドル(約570円)、Uber のアカウント情報については4米ドル(約456円)で売られています。このことから Netflix および Uber関連情報がアンダーグラウンド市場でいかに人気であるかが伺えます。

Netflix と Uber のアカウント情報がますます人気を高くし、クレジットカード情報よりも利益が見込める情報となっている理由には、需要供給の法則があるかもしれません。収集されたクレジットカード情報に関しては供給が過剰になり、銀行や金融機関がクレジットカード詐欺の予防のためにセキュリティ対策を講じたおかげで、需要は低減したようです。他方、Netflix や Uber のようなサービスは利用者層を拡大しています。Netflix は会員数7千5百万人を誇り、Uber に関しては2014年12月現在、サンフランシスコだけでも約7万人の活発な利用者を抱えています。それに対しこれらのサービスを狙ったディープWeb やアンダーグラウンド市場で暗躍する攻撃者は比較的少数です。需要が増しているために、価格が上昇しています。

サイバー犯罪は実際のところビジネスです。一般の企業と同様に、サイバー犯罪も、現在何に需要があるかに照準を合わせて運営されます。正規のビジネスと違うところは、自社製品を開発する努力をしない点です。かわりにサイバー犯罪者は、正当には作成者がその利益を得るはずである製品やサービスの違法コピーを、低価格で提供することによって利益を得ます。

2015年、トレンドマイクロは、各国のアンダーグラウンド市場にはそれぞれ独特の製品やサービスがあることを確認しました(サイバー犯罪世界地図はこちら)。また、弊社の「Cybercrime and the Deep Web(英語情報のみ)」でも、サイバー犯罪のアンダーグラウンド市場で確認した点について要約しています。2015年2月29日から3月4日まで米サンフランシスコで開催される情報セキュリティに関する国際会議「RSA Conference 2016」に参加予定であれば、弊社のブースに立ち寄り、セキュリティエバンジェリストから詳しい説明をお聞きください。サイバー犯罪者から身を守るために役立つ、サイバー犯罪についての最新情報については、ディープWebのページをご覧ください。

参考記事:

翻訳:室賀 美和(Core Technology Marketing, TrendLabs)