「アンダーグラウンドマーケット最新事情」連載、最終回の今回は、トレンドマイクロが2019年に行ったアンダーグラウンドマーケットの最新調査の結果から、アンダーグラウンドマーケットで扱われている商品やサービスに関する新たな傾向と近い将来に起こりえる変化の予測について報告します。
(※記事内で使用する通貨単位として、「ドル、$」は米ドル、「円、¥」は日本円とします。また記事編集時6月時点の換算レートで1ドル=107円、1ビットコイン=100万円として計算します)
「アンダーグラウンドマーケット最新事情」連載、最終回の今回は、トレンドマイクロが2019年に行ったアンダーグラウンドマーケットの最新調査の結果から、アンダーグラウンドマーケットで扱われている商品やサービスに関する新たな傾向と近い将来に起こりえる変化の予測について報告します。
(※記事内で使用する通貨単位として、「ドル、$」は米ドル、「円、¥」は日本円とします。また記事編集時6月時点の換算レートで1ドル=107円、1ビットコイン=100万円として計算します)
パスワードや暗号通貨の情報など、機密データを収集する機能を備えた「LokiBot(ロキボット)」の開発者は、このマルウェアにさらに資金を投じ更新を加えているようです。過去、トレンドマイクロは、リモートコード実行の脆弱性を突きWindows Installerを実行してLokiBotを配信する攻撃や、ISOイメージファイルを利用して配信されるLokibotの亜種、ステガノグラフィを利用し活動を持続化させる仕組みを更新した亜種を確認してきました。そして今回、人気のゲームとゲームエンジンの購入、ダウンロード、インストールなどの機能を提供する「ゲームランチャー(Game Launcher)」になりすまし、ユーザのコンピュータで実行させるよう仕向けるLokiBotを確認しました。解析の結果、この亜種の変わったインストール活動には、C#コードのファイルをドロップしてコンパイルする手法も使用されていました。この珍しいLokiBotの亜種は、配信後にコンパイルして検出を回避する手法を利用していましたが、トレンドマイクロの機械学習型検索によって「Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF034」として予測検出されました。現在は、「Trojan.Win32.LOKI」ファミリとして検出対応しています。
続きを読むオープンソースの暗号化型ランサムウェアの亜種(トレンドマイクロでは「RANSOM.MSIL.SYRK.A」として検出)がオンラインゲーム「フォートナイト(Fortnite)」のプレイヤーへの攻撃に利用されています。フォートナイトは2019年3月の時点で2億5,000万人のプレイヤーを抱えるオンラインビデオゲームです。セキュリティ企業Cyren のリサーチャー MaharlitoAquinoとKervin Alintanahinの調査によると、ランサムウェアは、敵に照準を合わせる精度を上げ(AIMBOT)、マップ上の他のプレイヤーの位置を可視化すると謳うチートツールを装っていることがわかりました。プレイヤーがこのチートツールのファイルをダウンロードして実行すると、プレイヤーのコンピュータに保存されている画像、動画、音楽、ドキュメントなどが、「Syrk(サーク)」と呼ばれるランサムウェアによって暗号化されます。