トレンドマイクロでは、2016年上半期(1~6月)における国内外の脅威動向について分析を行いました。その結果、身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)は今やインターネット利用者にとって最も大きな脅威となっていることが確認できました。その被害は2016年上半期を通じ、ますます拡大しています。
図1:国内でのランサムウェアの被害報告件数推移
ランサムウェアの日本での被害報告数は前年同期比 7倍、特に法人での被害報告は同 9倍となりました。昨年末、トレンドマイクロでは「2016年はネット恐喝の年になる」と予測しましたが、実際にサイバー犯罪者にとってランサムウェアは「金のなる木」のような存在となりました。
一方、攻撃対象を限定した標的型の攻撃も様々な事例が表面化しています。日本では 678万件という過去最大規模の個人情報が、標的型サイバー攻撃により流出危機にさらされていたことが大手旅行会社から公表されました。トレンドマイクロのネットワーク監視によれば、国内における標的型サイバー攻撃の疑いのある通信は月平均 59万件が確認されており、公表事例が無い期間であっても水面下で攻撃は継続していることがわかります。また、世界的に「ビジネスメール詐欺(Business Email Compromised、BEC)」 と呼ばれるビジネスメールの侵害も表面化しています。「米連邦捜査局(U.S. Federal Bureau of Investigation、FBI)」によると、2015年 1月から 2016年 6月までの被害総額は 30億米ドルに及んでおり、正規のビジネスメールを悪用した詐欺手口により企業に巨額の被害がもたらされていることがわかります。
2016年上半期に確認された様々な脅威動向について、より深く知るためには、以下のレポートをご一読ください。
- 詳細レポートはこちら:
2016年上半期セキュリティラウンドアップ:『凶悪化・巧妙化が進むランサムウェア、国内では過去最大の被害』
http://www.go-tm.jp/sr2016h1