携帯電話がハッキングされる?

ここ最近国家組織や国際機関、企業など様々な組織の ITネットワークがインターネット経由でのハッキングの被害に遭っていますが、いわゆる「Phone hacking(携帯電話のハッキング)」という事件が欧米のメディアで話題になっています。


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この一連の事件においては 2011年4月に成婚されたウィリアム王子をはじめ著名な政治家、芸能人、スポーツ選手、コメンテーター、そして各種事件の被害者、被害者関係者までもが「Phone hacking」の被害に遭ったと言われています。この「Phone hacking」によるスキャンダルでイギリスの有名タブロイド紙「News of the World」が 2011年7月10日に廃刊に追い込まれただけでなく、捜査関係者の辞任や逮捕者が出るなど、騒ぎは終息するどころか社会問題としてますますエスカレートしており、その影響度もイギリス本土からアメリカなど海外にも波及しています。

■「Phone hacking」とは?
今回の News of the World の事件で問題となった「Phone hacking」、携帯電話のハッキングとは一体どんなものなのでしょうか?

「Phone hacking」とは言うものの、実は皆さんが持っているような携帯電話の端末自体にハッキングが行われるわけではありません。今回の事件で行われたのは「携帯電話の留守番電話メッセージへの不正アクセス」になります。

第三者の携帯電話の留守番電話メッセージへ不正アクセスをするにあたっては、デフォルト(初期設定)の暗証番号あるいは簡単な暗証番号を利用した遠隔からの留守番電話へのアクセスなどの手法で被害に遭った著名人の留守番電話が不正にアクセスされたと言われています。

■スマートフォンを含む携帯電話のセキュリティ対策は必須
この事件は携帯電話のセキュリティ、暗証番号、パスワードの重要性を浮き彫りにしています。今回のケースでは留守番電話サービスへの不正アクセスが問題となりましたが、スマートフォンをはじめとした携帯電話はその携帯性の高さからいとも簡単に紛失してしまったり盗難にあったりという事故に遭遇する可能性が高くなります。

国内の携帯電話サービス事業者でも携帯電話契約時には「0000」、「9999」や誕生日などのいとも簡単に想像できてしまう暗証番号ではなく自分にしか分からなく想像が容易にできない暗証番号の徹底を契約時に推奨されていることと思います。暗証番号やパスワードという観点では、携帯電話端末自体を暗証番号でロックすることも重要ですが、携帯電話関連に限らずインターネットバンキングで利用する暗証番号や E-mailアカウントに利用するパスワード、ひいては PC などに関しても同様で、他人が推測しにくい難しい暗証番号、パスワードを設定し、可能な限り定期的に変更、更新することをお勧めします。