Linuxを標的とする脅威の増加は、「Windows以外のOSはマルウェアに感染しにくい」といった俗説を覆しました。Linuxが攻撃者に狙われるようになると、Ngrokのようなローカル環境で実行しているアプリケーションを外部公開するサービスを悪用したり、競合する別のマルウェアを強制停止させる機能を利用したりと、脅威が高度化していく様子が見られるようになりました。
本記事では、Linuxシステムを標的とする攻撃者の間で新たに採用されている手口について解説します。今回トレンドマイクロでは、Infrastructure as Code(IaC)ツールを悪用する手口を特定しました。これはマルウェアの拡散にIaCツールの悪用が確認された初のケースと言えます。また今回解説する手口の中には、Socks5プロトコルを使用したプロキシ経由のネットワークを介したTor(The Onion Router)の使用、正規DevOpsツールの悪用、アーキテクチャに応じた後続のマルウェア検体のダウンロード、競合する暗号資産採掘ツール(コインマイナー)の削除や無効化のほか、マルウェア検出や解析を回避する機能が含まれます。
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